2025.11.23

豊かな流域を生み出すもの

デザイン道



直線ではなく蛇行していること。流れている量とスピード。
流域を潤す河川の流れとその形が意味する原理は様々な経済活動にも見てとれます。人も含めた環境との関わりが重要なリゾートエリア(原生自然と都市との中間領域)での建築においては予算配分とマスタープランが建築計画の道筋をデザインしていきます。

依頼することと依頼先。
そしてお金のかけ方。

自然の摂理に少し思いを馳せるとあるべき家づくりの道筋が見えてきます。力を抜いて深呼吸してみる。パートナーとの対話。丁寧なプロセスと自由は良きデザインを生み出していきます。

2025.11.10

Mimicry Style  ー自然の流れに沿うデザインー

デザイン道



PDOデザインを次世代に繋げていくためのプロジェクト、「Mimicry Style
「自然の流れに沿う」「暮らす人に沿う」というふたつのキーワード。
プロジェクトの土台となる敷地に目を向けること、要望が生み出される自分の源を感じること。
流れやエネルギーを感じつつ、応答する無理のないデザインを心がけています。
PDOはこれからも広義のパッシヴデザインを実践していきます。

2025.10.04

用途のない建築

デザイン道


東京・千代田区の紀尾井清堂を訪ねました。

コンセプトを知って驚いたのは発注段階で決まった用途はなく、完成後に建主が考えるという点です。
「自由に作って下さい」という要望は建築家冥利に尽きるかもしれませんが、かえって難題とも言えます。



実際に出来た建築はコンクリートのキューブを4本の柱で持ち上げ、
ガラスで覆ったものでした。



地階はコンクリートの塊感ある空間にレトロな古タイルが貼られています。
ハイサイドライトから差し込む光と3.6mの程良い天井高により圧迫感はなく、
光と影がつくる心地良い「こもり感」があります。



一方で地上階は4層吹き抜けを中心に回遊性のある構成です。
トップライトからはふんだんに光が注ぎ込みます。

無目的がゆえに抽象性が高く、人を惹きつける魅力があります。
2つの建築を訪ねたかのような対比の大きさも印象的でした。

2025.08.09

DIY ー窓辺のテーブルー

デザイン道



11年目を迎える「分水嶺にたつ家」に久しぶりにお邪魔しました。
川俣渓谷に開いた窓辺にご主人手作りのテーブルが設えてありました。とても居心地の良さそうな場所です。



現役で仕事をされていて、現在も月に2回ほどのご利用です。
10年を超える歳月がたち、周辺にも新しい別荘が増えました。敷地の樹木は大きく育ち、緑に囲まれた快適な環境をつくっています。

2025.07.08

予算計画 ーお金の流れをデザインするー

デザイン道



ここ4〜5年、ウッドショックとコロナ禍を経て建築費は驚くほど高騰しています。
建築資材費、設備費、人件費など多岐にわたって上昇しています。

計画初期段階での予算配分や優先順位付けが重要ですし、自然とつながるコンパクトな家を意識することもサスティナブルデザインとって意味のあることです。

夢が膨らみどうしても建物規模は大きくなりがちです。自然が豊かな環境の中では、都会と違い外とつながる設計の工夫で数字以上に広がりのある空間に感じるものです。
また、一部屋根のかかったウッドデッキなどはアウトドアリビング、ダイニングとして、もう一つの部屋の役割を果たします。リゾートエリアならではの体験ができる空間が生まれます。

土地取得費を含めた建築事業全体の予算計画。
思い描いている暮らしのスタイルやこだわりを踏まえた予算配分と足るを知る設計が完成後の満足感の質を左右すると思います。

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