2025.10.04

用途のない建築

デザイン道


東京・千代田区の紀尾井清堂を訪ねました。

コンセプトを知って驚いたのは発注段階で決まった用途はなく、完成後に建主が考えるという点です。
「自由に作って下さい」という要望は建築家冥利に尽きるかもしれませんが、かえって難題とも言えます。



実際に出来た建築はコンクリートのキューブを4本の柱で持ち上げ、
ガラスで覆ったものでした。



地階はコンクリートの塊感ある空間にレトロな古タイルが貼られています。
ハイサイドライトから差し込む光と3.6mの程良い天井高により圧迫感はなく、
光と影がつくる心地良い「こもり感」があります。



一方で地上階は4層吹き抜けを中心に回遊性のある構成です。
トップライトからはふんだんに光が注ぎ込みます。

無目的がゆえに抽象性が高く、人を惹きつける魅力があります。
2つの建築を訪ねたかのような対比の大きさも印象的でした。

2025.08.09

DIY ー窓辺のテーブルー

デザイン道



11年目を迎える「分水嶺にたつ家」に久しぶりにお邪魔しました。
川俣渓谷に開いた窓辺にご主人手作りのテーブルが設えてありました。とても居心地の良さそうな場所です。



現役で仕事をされていて、現在も月に2回ほどのご利用です。
10年を超える歳月がたち、周辺にも新しい別荘が増えました。敷地の樹木は大きく育ち、緑に囲まれた快適な環境をつくっています。

2025.07.08

予算計画 ーお金の流れをデザインするー

デザイン道



ここ4〜5年、ウッドショックとコロナ禍を経て建築費は驚くほど高騰しています。
建築資材費、設備費、人件費など多岐にわたって上昇しています。

計画初期段階での予算配分や優先順位付けが重要ですし、自然とつながるコンパクトな家を意識することもサスティナブルデザインとって意味のあることです。

夢が膨らみどうしても建物規模は大きくなりがちです。自然が豊かな環境の中では、都会と違い外とつながる設計の工夫で数字以上に広がりのある空間に感じるものです。
また、一部屋根のかかったウッドデッキなどはアウトドアリビング、ダイニングとして、もう一つの部屋の役割を果たします。リゾートエリアならではの体験ができる空間が生まれます。

土地取得費を含めた建築事業全体の予算計画。
思い描いている暮らしのスタイルやこだわりを踏まえた予算配分と足るを知る設計が完成後の満足感の質を左右すると思います。

2025.06.19

引き立て合うインテリア

デザイン道


重奏の家が竣工して1年半が経ちました。
4月に植栽工事を終え、来月写真撮影の段取りとなっています。

1階南東部、日当たりの良い場所にアトリエがあります。
ステンドグラスの入ったアンティークドアを開けると、
制作現場の熱気の様なものに包まれていました。


床はヨーロピアンオークのフレンチヘリンボーン、
壁はFarrow&Ballのペイント仕上げと
シンプルながらもこだわりの素材が使われています。
無造作に置かれた作品や画材とも引き立て合うような関係性です。

時間を忘れ、制作に没頭できそうな空間です。

2025.05.02

設計相談 ープロジェクト始動ー

できごと デザイン道



東京からの移住を検討されているご夫妻。ちょうど1年前に安曇野エリアで土地探しをしている段階でお問い合わせをいただきました。
その後蓼科高原などの検討を経て、八ヶ岳の南麓で良い土地に巡り合うことができました。社屋とご自宅の計画になりますが、まずは社屋の設計からスタートです。
詳細は後々プロジェクトブログで発信していきますが、楽しみなプロジェクトがはじまります。

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