PDOの家ではありませんが、中村が17年前に設計した軽井沢の別荘です。ご縁があり取得された2代目のオーナーからデッキ増築等の相談があり、打ち合わせに行きました。
いろいろ手入れをされながら過ごしてきたことが感じられる建物で、17年経ったとは思えないよい状態でした。
ここ数年、いろいろなご事情から次のオーナーに引き継がれていく建物がいくつかあります。少し寂しい思いもありますが、大切に使われてきた建物が代替わりしたり、新たなオーナーの手に渡って住み継がれていくことは建築家冥利に尽きると思います。
南面の大開口は明るく開放的で建物の顔にもなります。
一方で光が入り過ぎるとオーバーヒートを起こしたり、
西日が不快に感じたりといったデメリットもあります。
日除けとしてロールスクリーンを下げたりルーバーを設けると効果的です。
特にルーバーは様々なデザインがあり建築的特徴を持たせることもできます。
ル・コルビュジェは「ブリーズソレイユ」と命名し自身の設計に多用しました。
直訳すると「太陽を砕くもの」という意味になります。
砕かれた光が室内に入り、床や壁に光のパターンを映し出します。
写真の建物はユニークな日除けがデザインされています。
ここでは光がどう砕かれるのでしょうか。
曲面や反射もあって予期せぬパターンが見られそうです。
フローリングなどの傷の補修をお願いしているRepare BLAZEの板山さん。今回は削った後のフローリングの塗装と傷の補修。通常の塗装ではなく、周りに色合わせをしながら絵を描くような技能です。
終わった後の確認でどこだったかがわからないほどの仕上がり。プロの仕事です。
細田@PDO
建物の正面となる部分をファサードと呼びます。
方位で言うと窓の多い南面が多いのですが、
道路から見える外観もまた街並みに影響を与える重要なファサードです。
五十三次の家は折り重なる屋根が山並みと連動し、
高さを抑えることで奥ゆかしさを感じられます。
石積みの間を抜け、ガレージに至るまでのアプローチもまた期待感が高まります。