南面の大開口は明るく開放的で建物の顔にもなります。
一方で光が入り過ぎるとオーバーヒートを起こしたり、
西日が不快に感じたりといったデメリットもあります。
日除けとしてロールスクリーンを下げたりルーバーを設けると効果的です。
特にルーバーは様々なデザインがあり建築的特徴を持たせることもできます。
ル・コルビュジェは「ブリーズソレイユ」と命名し自身の設計に多用しました。
直訳すると「太陽を砕くもの」という意味になります。
砕かれた光が室内に入り、床や壁に光のパターンを映し出します。
写真の建物はユニークな日除けがデザインされています。
ここでは光がどう砕かれるのでしょうか。
曲面や反射もあって予期せぬパターンが見られそうです。
建物の正面となる部分をファサードと呼びます。
方位で言うと窓の多い南面が多いのですが、
道路から見える外観もまた街並みに影響を与える重要なファサードです。
五十三次の家は折り重なる屋根が山並みと連動し、
高さを抑えることで奥ゆかしさを感じられます。
石積みの間を抜け、ガレージに至るまでのアプローチもまた期待感が高まります。
複数の店舗をもつ小売業において
宣伝・販売戦略上中心となる施設を旗艦店と呼びます。
ヘアケアブランドのラ・カスタ(La CASTA)は
北アルプスの麓である大町市に旗艦店を構えます。
建物が植物の成長を妨げないようにと三角屋根を採用し、
工事で伐採された樹木をベンチや内装材に使うなど、
ブランドの想いが施設のデザインからも伝わってきます。
隣接する庭では精油の原料となる植物に触れ、
北アルプスの雪解け水も自由に味わうことができます。
立地を活かし、ブランドの世界観に多方面から触れることができます。