2018.08.20

広く感じること ―環境と融合する空間―

デザイン道


外部環境を取り込んだ空間は開放的で実面積よりも広く感じられます。
それは「インテリア」という室内だけを意味する言葉を超えて
中も外も関係なく一体感を感じられるからです。

天然水の家のリビングダイニングは29.8㎡(18.0帖)。
ダイナミックな開口部から視線が抜け、
床と同じ高さのウッドデッキが内外の境界を曖昧にさせています。
吹き抜けや勾配天井もまた縦方向に広がりを感じます。

オーナーのご厚意によりにより内覧可能な建築実績をご案内できます。
BOOKCAFE HOUSEは体験宿泊もできます。(有料/詳細はお問い合わせ下さい)
写真や図面ではなかなか分からかない、
森の中の暮らしをぜひ体感してみてください。

2018.08.18

ファイヤープレイス ―Tipi―

デザイン道


「焚火」と聞いて心躍るのは人間の本能から来るものでしょうか。
それとも炎に触れる機会が減り、非日常になっているからでしょうか。

亀甲模様の家ではインナーデッキに面して焚火場を設けました。
キャンプファイヤーの様に豪快な炎も良いですが、
ここでは安全性を考慮してデンマーク製のTipi(ティピ)を採用。
コールテン鋼を折り曲げただけのシンプルなデザインです。
炎が守られるように包まれ、オブジェのような姿で場を暖めてくれます。

デンマークのライフスタイルにあるヒュッゲ(居心地が良い時間や空間)。
広大な森に面したデッキスペースはまさにそんな言葉がぴったりです。

2018.08.16

お金の流れ2 ー豊かな流域が生まれるわけー

デザイン道



直線ではなく蛇行していること。流れている量とスピード。流域を潤す河川の流れとその形が意味する原理は経済活動にも見てとれます。人も含めた環境との関わりが重要なリゾートエリア(原生自然と都市との中間領域)では予算の考え方が建築計画の道筋のデザインに方向を与えていきます。

依頼することとひと。
お金のかけ方。

そういうことに少し思いを馳せると家づくりの道筋が見えてくることがあります。力を抜いて深呼吸してみて自然から学ぶ。パートナーとの対話。丁寧なプロセスと自由は良きデザインを生み出していきます。

細田@PDO

2018.08.08

ジャイアントテーブル ―大きくても省スペース―

デザイン道


「ジャイアントテーブル」あるいは「コミュニケーションテーブル」をご存知でしょうか。
対面キッチンのカウンターを広げ、ダイニングテーブルと一体になったものです。
大きな木の天板が特徴です。

標準的な仕様では天板にタモの集成材を用いますが、
コストアップ仕様として無垢板にする選択肢もあります。
「いかだ床のある家」ではタモの無垢板をハギ合わせにしました。
床のアメリカンダークチェリーに合わせて赤味に染色し、
ガラス質の透明塗装仕上げで耐久性や耐水性を確保しています。

キッチンに立つ人とダイニングに座る人との距離感が程良く、
新たにダイニングテーブルを置かなくても良いので自ずと省スペースです。

自宅はフォーマルに、別荘はコミュニケーション優先にと、
あえて食事のスタイルを変えてみるのも良いのではないでしょうか。

2018.07.31

土塗り壁―伝統工法修業中―

デザイン道

建築の中でも、建築行為で環境への負荷が少ないのは木造でしょう。
木造は、ツーバイフォー工法、在来工法、ログ造、そして伝統工法、
と大別できます。
かつて私は在来工法と伝統工法は同義だと勘違いしていました。
在来工法は骨組みこそ柱、梁ですが合板や緊結金物を用いて変形のない箱をつくります。
伝統工法は「めり込み復元」を旨とした免振構造です。
どちらが地震に強いか?
考え方が真逆なので何とも言えないところですがどちらも強いです。

さて、私は今、伝統工法の技の勉強にはまっています。
要件をバランスよく整えて美しいデザインにする、その根拠となるものを、
先人が積み重ねた日本独自の工法、デザインより多くを学ぼうと思ったからです。

高橋昌巳先生が自らの設計・施工の現場を対象に講義をしていただく機会に恵まれました。
今日は「土塗り壁」です。
八ヶ岳の若き棟梁、横山潤一氏とデザイナー持留和也氏と共に参加です。
私も潤一氏も竹木舞組に挑戦です。
現場で藁を混ぜて7か月寝かした土で荒壁工程塗りです。

中村@PDO

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