作曲家、指揮者、そしてオーケストラ。曲の解釈により、演奏は変わってきます。建築家、現場代人、職人の関係も同じではないでしょうか。
建築家が魂を込めたところを汲み取り、互いの違いを認め、つないでいく。そういう共同の建築活動である訳です。
環境を意識し、風景の中にあることを忘れないこと。家はそこで営まれる暮らしを包み込む、繊細な器です。
はじめて敷地に立つ中村。物語は、1枚のスケッチから始まります。
東京へは高速バスをよく利用します。利便性、アメニティーはほとんど同じなのに、JRは2倍の料金がかかりますから。
揺れるバスの中、それでも新宿までの2時間余りは、なにからも邪魔されない格好の仕事場です。「酔わない?」それは訓練のたまもの。全然平気です。
多くの宿題をカバンに詰めて、膝の上に画板を載せて、仕事の開始です。今日はまず「地面勾配の家」の階段手すりのデザインです。元の設計ではフラット鋼を用いたデザインでした。仕上がりつつある空間と考え合わせると、どうも硬質な感じになりそうです。丸鋼を用いたデザインに変更提案をオーナーにしようと思います。
ほどなくまとまりました。こんな時アイフォンはとても便利です。ガシャッとうつしてスタジオのKIGくんに即座に送ります。むずかしいぞ、図面におこせるかな?