
重奏の家が竣工して1年半が経ちました。
4月に植栽工事を終え、来月写真撮影の段取りとなっています。
1階南東部、日当たりの良い場所にアトリエがあります。
ステンドグラスの入ったアンティークドアを開けると、
制作現場の熱気の様なものに包まれていました。

床はヨーロピアンオークのフレンチヘリンボーン、
壁はFarrow&Ballのペイント仕上げと
シンプルながらもこだわりの素材が使われています。
無造作に置かれた作品や画材とも引き立て合うような関係性です。
時間を忘れ、制作に没頭できそうな空間です。

東京からの移住を検討されているご夫妻。ちょうど1年前に安曇野エリアで土地探しをしている段階でお問い合わせをいただきました。
その後蓼科高原などの検討を経て、八ヶ岳の南麓で良い土地に巡り合うことができました。社屋とご自宅の計画になりますが、まずは社屋の設計からスタートです。
詳細は後々プロジェクトブログで発信していきますが、楽しみなプロジェクトがはじまります。

当たり前のことではありますが、自分が真に望んでいることがわからなければ、その実現を誰かに依頼することはできません。
様々なタイミングで建築の相談をいただく中で、「このような状況で相談させていただいてもいいのでしょうか?」と尋ねる方もいらっしゃいます。
誰かに相談するという行為は、その人の中で何かが生まれ、ゆっくりと起動しはじめた証ではないでしょうか。それは建築のイメージだったり、その土地での暮らしの形、心のあり様だったりします。おそらく正解というタイミングはないのでしょう。
心が動いたらまず行動してみる。
対話を重ねていくことで、ぼんやりしていたイメージの解像度が上がり、望んでいたものの形が見えてきます。

テーマに惹かれていま読んでいる本です。
サステナブルデザインの目的に一つに「廃棄物を減らす」ということがあります。短いサイクルでのスクラップアンドビルドはサステナブルではありません。
PDOが仕事をしているエリアは郊外というよりは高原・山岳エリアですが、同じような問題が起こっています。30年も経たず、取り壊される建物も多いのです。夏仕様の別荘など性能面で問題ありの場合は仕方のないケースもありますが、規模やデザインで顧客の需要を満たせずに解体されていく建物も少なからずあります。
4月1日からの法改正で、地域ごとに決められた省エネ性能を満たすことが義務化されて、これからつくられる建物は性能面では将来求められるニーズをある程度満たしていくことと思います。
するとより重要になってくるのはランドスケープも含めた建築のデザイン。単体ではなく、周辺の家屋や環境との関わりの中でデザインしていくことが、建築に関わる人たちの責務ではないでしょうか。
次世代にしっかり引き継がれる家、周辺環境をよくしていくような庭のデザイン。PDOがこれからもパートナーの方々と協働しながら実践していきたいことです。

PDOデザインのDNAを次世代へ伝えていくためのコンセプト住宅。
MS -3「135度への字の家」
森環境と生活が一体となる多面方向に拡がりを持つ家。
家族の家としても、核家族の再集合の家としても、十分な広さを持ちます。