1983年に軽井沢の南ヶ丘に建築された「ハーモニーハウス(設計/吉村順三)」。音楽家を目指す若者たちのホールや合宿施設として活躍してきました。
近年、維持管理等の問題で取り壊しの危機にありましたが、今年からカフェ&シェアハウスとして蘇ることになりました。
カフェの名は「エロイーズカフェ」。エロイーズとはこの建物のオーナーであったエロイーズ・カニングハムからきています。
用途地域の関係で店舗面積が50㎡までという規制があり、カフェスペースは1階のみとなっていますが、内装はハーモニーハウスの頃のイメージを継承しています。
低く抑えられた天井に南面の大開口。圧迫感はなく包み込まれる感じです。ゆったりとしたソファ席で朝食などをいただきます。
2階の音楽ホールや宿泊棟なども見学自由です。
人々に大切にされ今もなお生き続ける建築。また会いに来れるという喜びがあります。
美鈴の家のオーナーがソファやテーブルを選ばれたお店、「ウッドユーライクカンパニー」を出張の折に訪れました。無垢の木で丁寧にオリジナルデザインの家具をつくっている会社です。東京の昭島にFACTORYを構え、家具職人さんたちが切磋琢磨しながら、家具をつくり出しています。
でしゃばり過ぎない、控えめなフォルム。置かれた空間にさりげなく重心を与えてくれます。
クマの親子のオブジェ。スチールのフレームで出来たシンプルな造形です。
斜め横から見てみると、、、、
手前と奥の2つのパーツに分かれていました。
三角形で構成された輪郭と、背景となるハッチング。これらが組み合わさり1つの立体に見えるのです。
デザインの楽しさの1つに「驚き」や「気付き」があります。以前、お引渡し後に訪ねたオーナーから「住んでいて毎日のように発見がある」と言われたことがありました。その1つが建築の「ディテール」でした。
様々な素材が取り合う建築はまさにディテールの集合体です。どのような構成で空間が作られているのか、この気持ちの良さは何処から来ているのか、、、
全てにデザイナーの仕掛けがあり、それに気が付いた時、やはり感動があります。
そして実はその先があり、時にデザイナーの仕掛けを超えたプレゼントのようなものもあります。
これはモーエンセンと語る家のオーナーから届いた写真です。太陽の光が北側の壁のタイルに当たり、文様が浮かび上がっている様子です。
季節や時間など特定の条件が重なった時だけこの様に照らされるのです。
オーナーはアイルランドのニューグレンジの様だと表現して下さいました。
図面や模型、パースからは想像できないこういった瞬間に建築の奥深さを感じます。