
直線ではなく蛇行していること。流れている量とスピード。
流域を潤す河川の流れとその形が意味する原理は様々な経済活動にも見てとれます。人も含めた環境との関わりが重要なリゾートエリア(原生自然と都市との中間領域)での建築においては予算配分とマスタープランが建築計画の道筋をデザインしていきます。
依頼することと依頼先。
そしてお金のかけ方。
自然の摂理に少し思いを馳せるとあるべき家づくりの道筋が見えてきます。力を抜いて深呼吸してみる。パートナーとの対話。丁寧なプロセスと自由は良きデザインを生み出していきます。

PDOデザインを次世代に繋げていくためのプロジェクト、「Mimicry Style」
「自然の流れに沿う」「暮らす人に沿う」というふたつのキーワード。
プロジェクトの土台となる敷地に目を向けること、要望が生み出される自分の源を感じること。
流れやエネルギーを感じつつ、応答する無理のないデザインを心がけています。
PDOはこれからも広義のパッシヴデザインを実践していきます。

11年目を迎える「分水嶺にたつ家」に久しぶりにお邪魔しました。
川俣渓谷に開いた窓辺にご主人手作りのテーブルが設えてありました。とても居心地の良さそうな場所です。

現役で仕事をされていて、現在も月に2回ほどのご利用です。
10年を超える歳月がたち、周辺にも新しい別荘が増えました。敷地の樹木は大きく育ち、緑に囲まれた快適な環境をつくっています。

昨日、OMソーラー協会主催のセミナーに参加してきました。
建築家の堀部安嗣さんが登壇されて、90(高断熱エリア/安定):30(半戸外エリア/揺らぎ)の考え方について話がありました。
半戸外エリアとはサンルームや縁側、屋根のかかったデッキスペースなどで内と外の中間領域といえます。都会と違い自然が豊かな環境での建築は、自然に寄り添うことや外の自然を取り込むことが重要な設計テーマにもなってきます。
高断熱エリアをコンパクトにまとめ(90を減らす)、半戸外エリアを豊かにしていくことは、高騰する建築費問題の一つの解決策にもつながると思います。
PDOが提唱するコンセプト住宅「Mimicry Style」は自然の中での一つの住まいのあり方を示しています。そこにあるものを読み解き、しっかりと受けとめる美しいデザインをこれからも心がけていきたいと思います。