2022.02.24

デザイン道


標高1100m八ヶ岳南麓に住んでいる。

ここ数十年程度の設計、施工技術の向上で

快適な生活が可能となった。

直近の都会である甲府には時々は降りることもある。

その道すがらよく目にするのは、

空を気持ちよく滑るグライダーの姿。

動力装置を持たずに気流をとらえて操縦する。

3,000m級の峰が連なる八ヶ岳は南北軸だ。

その東も西も谷状となっている。

東谷は塩川、千曲川、信濃川となり日本海に抜ける。

西谷は釜無川、諏訪湖、そうフォッサマグナだ。

やはり日本海まで抜ける大地溝帯。

大陸からの風はこの谷地形で加速度を増す。

この二つの風が八ヶ岳東西谷を吹き抜け、

ちょうど合体するポイントが韮崎と双葉だ。

これが俗に言う八ヶ岳颪(おろし)。

甲府盆地の冬を寒いものとしている。

航空協会、航空学園がある理由もそれだ。

小淵沢の人に「名物は何?」と聞くと「風」と答えた。

特に春先には北西からの吹き上げで

芝も剥がすと言う。

清里には風を鎮める「風の三郎」と言う社が今もある。

長い棒の先に鎌を掲げた「風切り鎌」も風習として残る。

地形的にこれら風の影響を受けない八ヶ岳南麓エリアは

居住地として人気がある。

中村@PDO