ここ4〜5年、ウッドショックとコロナ禍を経て建築費は驚くほど高騰しています。
建築資材費、設備費、人件費など多岐にわたって上昇しています。
計画初期段階での予算配分や優先順位付けが重要ですし、自然とつながるコンパクトな家を意識することもサスティナブルデザインとって意味のあることです。
夢が膨らみどうしても建物規模は大きくなりがちです。自然が豊かな環境の中では、都会と違い外とつながる設計の工夫で数字以上に広がりのある空間に感じるものです。
また、一部屋根のかかったウッドデッキなどはアウトドアリビング、ダイニングとして、もう一つの部屋の役割を果たします。リゾートエリアならではの体験ができる空間が生まれます。
土地取得費を含めた建築事業全体の予算計画。
思い描いている暮らしのスタイルやこだわりを踏まえた予算配分と足るを知る設計が完成後の満足感の質を左右すると思います。
土地探し中の方からご相談いただき、いくつかの土地をみてきました。
ここは幹線道路から敷地までの砂利道アクセス道の雰囲気、周辺の自然環境、地勢などそのお客さまが好まれそうな土地でした。
しかし、ここに建物を建築するとなるとまた違った視点が必要です。
敷地の中で建物を建てるべき場所、車の駐車スペースの場所、車路の取り方などのランドスケープデザインは重要です。また、仮設計画(工事車両の駐車位置、クレーン作業のシミュレーション)や施工手順の検討も大事になってきます。
敷地の植生、傾斜やうねりなどの地勢、水の流れ、周辺の自然環境、インフラなどさまざまな要素を整理します。建主が魅力に感じている点を建築の中で生かすことができるかどうかの検討を重ね、そしてそのことにかかる費用はどうなのか。
敷地選びの段階、そして設計に入る前のコンセプトを固めていく時間、基本構想。
その後の方向性を決めていく大事なプロセスです。
昨年、小淵沢に一戸建てを借りて、東京との二拠点居住を始めたご夫妻。
八ヶ岳エリアへの本格移住のために土地探しを始めています。いろいろ見て回る中で、イメージに近い明るい広葉樹の森に出会い、敷地を一緒に見てほしいとの相談をいただきました。
あまり人の手が入っていない、ワイルドな森です。ここに居を構えるわけですから自然に介入することになります。自然に介入し、少なからず破壊する。その後、時間をかけて修復し、再生する。
そうした一連の変容にどう関わっていくのか。PDOのテーマでもあります。
奢ることなく、自然から学び、謙虚にできることを続けていく。
自然は偉大です。その秘めた力を借りましょう。
「三隻の舟Ⅰ」を建築実績に公開しました。
表流水、伏流水のある傾斜敷地。水流をせき止めない平面形、傾斜に沿わせた空間構成です。
東京からの移住を検討されているご夫妻。ちょうど1年前に安曇野エリアで土地探しをしている段階でお問い合わせをいただきました。
その後蓼科高原などの検討を経て、八ヶ岳の南麓で良い土地に巡り合うことができました。社屋とご自宅の計画になりますが、まずは社屋の設計からスタートです。
詳細は後々プロジェクトブログで発信していきますが、楽しみなプロジェクトがはじまります。