敷地は約2寸勾配の傾斜地ですが、全体にレキ質地盤で表流水、伏流水だらけのエリアです。
ハンノキ、ニレが全体を占め、白樺、モミ、ズミが点在します。
地表はクマザサが占めますが、水流部は苔が覆い、イヌガエルが鳴き、クリンソウの群生地にもなっています。
この別荘地の中でも特に生命力にあふれたエリアと言えます。
ここに人の住処を造るのにはふさわしい設計作法が必要でしょう。
この「三隻の舟」プロジェクトのまず一棟目は、社員がリモートワークをする家の建築です。
旧家屋を取り壊し終えた時点で地下水が噴き出しました。
予想したとはいえまさに「寝た子を起こしてしまった」感じです。
水流をせき止めない平面形、傾斜に沿わせた空間構成、この家の形は必然から生まれました。