2024.10.15

Mimicry Style ―ミミクリスタイル―

デザイン道


バイオミミクリ(生物模倣)という言葉があります。
自然界や生物の仕組みから学び、新たな製品や仕組みをつくる考え方です。

身近な例として、カワセミの鋭いくちばしを模した新幹線の先頭部分や、
蓮の葉の構造から考案されたヨーグルトの蓋などが挙げられます。


建築もまた自然から多くの学びを得ています。
私たちが無意識レベルで心地良いと感じるものには普遍的な要素が見え隠れしており、
PDOが多様な自然環境の中で挑み、大切にしてきたデザインの核の部分と共通するものがあります。

情報豊かで様々なことが多様化している現代だからこそ、
そぎ落とすことで見えてくる本質的な豊かさを提案したい。
それは決して大きな家ではなく、原型となる住まいです。
そんな想いからMimicry Styleプロジェクトを立ち上げました。


ロゴマークは葉っぱに擬態したコノハズクです。
森環境と同化しながらも快適な暮らしを実現する家です。

2024.10.14

芋掘り炬燵

デザイン道


掘り炬燵の様に地面を掘り込んで作られた焚火スペースです。
座りやすい形で土を固め、麻布をかけただけのシンプルなものですが、
実際に腰かけてみると居心地の良さに驚きます。
土に触れている様な感覚と、包み込まれるような感覚、
地面に近い目線で過ごす時間はまさに非日常です。


麻布に頭を倒し、空を見上げると木漏れ日と秋の空が広がっていました。
視点が変わることで、どの景色も新鮮に感じられます。

2024.09.07

光を砕く

デザイン道


南面の大開口は明るく開放的で建物の顔にもなります。
一方で光が入り過ぎるとオーバーヒートを起こしたり、
西日が不快に感じたりといったデメリットもあります。

日除けとしてロールスクリーンを下げたりルーバーを設けると効果的です。
特にルーバーは様々なデザインがあり建築的特徴を持たせることもできます。
ル・コルビュジェは「ブリーズソレイユ」と命名し自身の設計に多用しました。
直訳すると「太陽を砕くもの」という意味になります。
砕かれた光が室内に入り、床や壁に光のパターンを映し出します。


写真の建物はユニークな日除けがデザインされています。
ここでは光がどう砕かれるのでしょうか。
曲面や反射もあって予期せぬパターンが見られそうです。

2024.08.26

山並みのように ―ファサードデザイン―

デザイン道


建物の正面となる部分をファサードと呼びます。
方位で言うと窓の多い南面が多いのですが、
道路から見える外観もまた街並みに影響を与える重要なファサードです。

五十三次の家は折り重なる屋根が山並みと連動し、
高さを抑えることで奥ゆかしさを感じられます。
石積みの間を抜け、ガレージに至るまでのアプローチもまた期待感が高まります。

2024.08.23

けもの道

デザイン道


伐採や造成前の土地からは様々な気付きを得ることができます。
長い年月を経て作られた地形のうねりや植生などには理由があるからです。

敷地調査に入った土地でけもの道を見つけることができました。
近くに水場があるため動物たちが行き来しているようです。

建築は少なからず環境に負荷を与える行為です。
伐採前の土地に入るとそれを強く実感します。
PDOに出来ることは自然に敬意を払い建築を行うことと、
若い木を植え、時間をかけて豊かな環境を取り戻していくことだと思います。

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