「ジャイアントテーブル」あるいは「コミュニケーションテーブル」をご存知でしょうか。
対面キッチンのカウンターを広げ、ダイニングテーブルと一体になったものです。
大きな木の天板が特徴です。
標準的な仕様では天板にタモの集成材を用いますが、
コストアップ仕様として無垢板にする選択肢もあります。
「いかだ床のある家」ではタモの無垢板をハギ合わせにしました。
床のアメリカンダークチェリーに合わせて赤味に染色し、
ガラス質の透明塗装仕上げで耐久性や耐水性を確保しています。
キッチンに立つ人とダイニングに座る人との距離感が程良く、
新たにダイニングテーブルを置かなくても良いので自ずと省スペースです。
自宅はフォーマルに、別荘はコミュニケーション優先にと、
あえて食事のスタイルを変えてみるのも良いのではないでしょうか。
現地調査などで敷地を訪れる際、
シンボル的存在の大樹に出会うことがあります。
昔からこの土地に根付いた樹木ですから
大切に扱いたいというのはオーナーも私たちも同じ考えです。
「空に開く三枚屋根の家」では大きなハルニレの木が自生していました。
プランはハルニレから円を描くように距離を保ち、外壁もそのまま曲面にしました。
根への影響も考慮して、ガレージからのアプローチは
地面から浮かしたはね出しコンクリートになっています。
この場所にハルニレがあったことで必然性あるプランが生まれ、
ハルニレの存在によって建物が敷地に馴染んでいます。