
「重奏の家」を建築実績に公開しました。
グランドピアノを囲んで楽器演奏を楽しめる住まいです。

東京・千代田区の紀尾井清堂を訪ねました。
コンセプトを知って驚いたのは発注段階で決まった用途はなく、完成後に建主が考えるという点です。
「自由に作って下さい」という要望は建築家冥利に尽きるかもしれませんが、かえって難題とも言えます。


実際に出来た建築はコンクリートのキューブを4本の柱で持ち上げ、
ガラスで覆ったものでした。


地階はコンクリートの塊感ある空間にレトロな古タイルが貼られています。
ハイサイドライトから差し込む光と3.6mの程良い天井高により圧迫感はなく、
光と影がつくる心地良い「こもり感」があります。


一方で地上階は4層吹き抜けを中心に回遊性のある構成です。
トップライトからはふんだんに光が注ぎ込みます。
無目的がゆえに抽象性が高く、人を惹きつける魅力があります。
2つの建築を訪ねたかのような対比の大きさも印象的でした。

だんご門の家を建築実績に公開しました。
手づくり団子をふるまうサロン「団子BAR」棟を併設したいとの要望から、
長屋門のように母屋の前面に構えのある建築です。

重奏の家が竣工して1年半が経ちました。
4月に植栽工事を終え、来月写真撮影の段取りとなっています。
1階南東部、日当たりの良い場所にアトリエがあります。
ステンドグラスの入ったアンティークドアを開けると、
制作現場の熱気の様なものに包まれていました。

床はヨーロピアンオークのフレンチヘリンボーン、
壁はFarrow&Ballのペイント仕上げと
シンプルながらもこだわりの素材が使われています。
無造作に置かれた作品や画材とも引き立て合うような関係性です。
時間を忘れ、制作に没頭できそうな空間です。