2025.08.08
建築後の敷地では土が剥き出しになります。緑化や土壌保護をどのようにしていくかは、竣工後の重要な課題です。そのままでは土壌が乾燥して埃が舞いますし、斜面では大雨のたびに土が侵食されていきます。
「三隻の船Ⅰ」では、周辺の環境にあるクマザサを植え込みました。その数、3,000ポット近く。
会社でリサイクルなど環境問題にも積極的に取り組んでいるオーナーの理解があって実現しました。
表土が建築で剥ぎ取られ、礫状の土壌でしたので、いきなり野草などを植えることも難しい状況でした。
ササ類の根は地下茎で繋がりながら広がっていきますので、傾斜地の土壌緊縛効果は何より強いです。
写真はクマザサを植えた後に、バーク堆肥を敷き詰めた様子です。
ササが根付いてくれて土壌がある程度保護できている状況で、秋口に敷地から避難させていたクリンソウなどの野草を植え込む計画です。根気のいることですが、ランドスケープデザイナーの愛さんが進めていきます。変化していく庭が楽しみです。
2025.07.30
うずまきスタジオの森(右側の緑の明るい部分)は1000ポットの苗木を植えて10年になります。
宮脇昭先生が提唱されていた混植密植(1メートル四方に3本)で植えたこの地域のさまざまな樹木で構成されています。陽の光を求めて通常より早く成長すると言われています。
敷地条件によって限られてくるケースもありますが、近年の夏の異常な暑さを考えると植栽計画は空調装置としてもより重要になっています。
建築でむき出しになった地面を緑でカバーするだけでも照り返しなどが違いますし、中木などで天蓋をつくってあげて日陰をつくることもできます。
日差しや太陽輻射熱を調整する機能をしっかり検討して計画を立てると審美的な効果だけではなく、快適な暮らしをサポートしてくれます。
人間が汗をかいて体温を調整しているように植物たちも蒸散によって葉の温度を下げ周囲よりも涼しい微気候をつくりだしています。
2025.07.12
「だんご門の家」で植栽工事がはじまっています。
視線を遮るという目隠しの役割ですが、庭に樹木が入ることによってより奥行き感も生まれています。
建築に厚みがました印象があります。
植栽には様々な機能的な役割があり、奥の深い世界です。
2025.06.29
「三隻の舟Ⅰ」では浴室前の目隠しなど植栽工事を進めています。寒冷地では常緑の広葉樹(中木)はソヨゴなど限られた樹種になります。ただこのエリアでは自生している樹木ではないため、どうしても不自然になってしまうのです。
オーナーはこの別荘地の植生を含めた雰囲気をとても気に入られており、今回は落葉樹を中心に選んでいます。もちろん冬は落葉してしまいますが、枝があるだけでもそこに意識が向くことで効果があるのです。冬場は人も少なくなりますし、必要に応じてブラインドをお使いいただき、運用していきます。
2025.06.21
「三隻の舟Ⅰ」で外構工事がはじまっています。 建築工事で斜面を削ったところからは絶え間なく水が湧き出ています。うまくいなさないといけないですが、敷地内に水が流れがあるのはよいものです。
自然な感じになるように細川さん(細川庭店)のセンスで石を配して小さなせぎをつくっています。土が剥き出しになっているところは、浴室前などに落葉樹を中心に植栽を施し、たくさんのクマザザを植える予定です。