2020.03.03

鹿と庭


暖かい日が続いたと思っていましたら、先日から急に冷え込んでいます。
この冬の間に、事務所の周りには笹の中に獣道ができました。
これはぐるっと回って、事務所の南側へ続いています。
つまり、事務所に人が不在時、あの大きな窓の外からこの距離感で鹿や何かに覗かれているわけです。
想像するとなんだか可笑しいですね。

庭を造るとき、山の中では鹿は重要な問題です。
たとえば事務所では、春に新芽がいい感じに伸びてきたころ
ちょうど美味しそうな若芽をモシャモシャと食べられてしまいますし
それでもめげず、さらに芽を伸ばしてきたところで、もいちどモシャモシャ。
そんなことが日常です。
また昨年は草花を新しく植えたお客様宅でも、植えた翌日にはすっかり植物の葉や花を
すべて味見され、慌てて鹿よけフェンスを設置しました。
この頃の鹿は何でもよく食べ、「これは食べない」と言われているものまで食べることがあるようです。
鹿は根まで食べるわけではないのですが、植えたばかりの苗はまだ根が土に張っておらず
芽を食べる時に苗が根からまるごと抜けてしまい、すぐに植え戻さなければ枯れてしまうため
新しく苗を植える時は特に注意が必要です。

庭を造る時に、先に鹿よけのフェンスをしっかりと設置するのもひとつ。
また植物が根を張るまでの1、2年だけ簡易的なフェンスをし、その後は撤去。
食べられつつも、枯れなければいいかぁもひとつ。
山のノバラを利用して、チクチクのフェンスを仕掛けるもひとつ。
鹿との付き合い方は人それぞれで、答えはありません。

2020.02.17

願いをこめて種をまく

今年は暖かい日の多い冬です。
いつもなら2月末までに蒔く種ですが
あれ、、マンサクがもう咲いている。
焦り、細田さんと中村さんを誘って、山野草の種を蒔きました。


冬の寒さにあて、凍ったり解けたりを繰り返し
ゆっくりと発芽を促します。


ほらね、いつも忙しいお二人にも、自然と笑顔がこぼれます。

2020.02.05

種のはなし

年末に、ご相談いただいている土地を3件、軽井沢へ見に行きました。
なんと3件のうち、2件で豊かな植生を発見。
もう冬だというのに、オオバギボウシやコバギボウシ、キバナアキギリ
ユキザサ、サラシナショウマ、ギンラン、ツルニンジンなどなど。
山野草好きならヨダレがでそうなくらいの草花の群落が、冬の姿を見せてくれました。
春になればさらにより多くの種類が見つかるはずです。
こちらはオオバギボウシの種姿。

ご相談いただく方の土地では、こうして手をつける前から
豊かな植生が見られることが度々あります。
その草花は、買おうと思ってもなかなか手に入らず
また同じ名前の苗を買って植えたとしても、同じようには育ちません。
なぜなら、その土地に暮らす草花は、その土地に合った遺伝子を持っているのです。
これは樹木も同じです。

この草花たちを見てしまったら、これは守り増やしたい!と願わずにはいられません。
あわててツルヤへ封筒を買いに行き、種を採取し
1件のお客様にはこの種たちを見ていただきました。
これは森からのギフトであり、出会いです。

自然に沿った庭づくりは、在来の多くの命を支えます。
多様であることは豊かで美しい。
それを言葉なくとも暮らしの中で伝えてくれる庭は、私たちを森へとつなげ
子供にも大人にも豊かな心を与えてくれます。

2020.01.25

春の植栽と、その先。

初めての打ち合わせから最初に見ていただいたプランは、小川を造るものでした。
常に滾々と水が流れる小川ではなく、雨が降ると建物周りにおちた雨水が
暗渠排水路を流れてあつまり、数日間あらわれる小さな小川です。
石をずらっと並べるのではなく、石であったり草の法面であったり。
草の法面にはその土地にもともと生えている植物たちを株分けしたり
いくつかは新たにこの地に自生する野草を植え、多様な生き物が暮らす豊かな庭計画です。



ただやはり、整地や石の仕事にはお金がかかります。
いつ流れるか分からない雨水のために、お金はかけられない。
なるほど、確かに。
小川の造作についてはしばらくこのお家で過ごしてみて、雨の日の様子をみながら
追々考えてゆくことになりました。

初めは予算が決まらないところからのスタートでしたが、話をすすめていく中で
今、庭にかけたい予算が決まります。
お金をかけたいところ、かけなくてもいいところ。
植えたいもの、食べたいもの、庭とのかかわり方、過ごし方。



おおよその全体像が見えてきました。
春にむけて、もう少し考えます。
考えて、お話して、考えて。は、なんとも楽しい作業です。

まるざ屋根の家

2020.01.07

はじめの一歩


今日は午後から雪が降っています。

人というものは弱いものです。鳥や鹿のように体一つでは自然の中で生きてはいけない。住まいや衣服がなければ、こんな雪の中では凍えて死んでしまう。弱いからこそ弱いものへの思いやりがもてるのは、人ならではと思います。
また人は自分の周りだけではない、広い世界を知っています。ただまっすぐに今を生きる動植物たちと、共にバランスをとる知恵と手を持っています。

人がこの地球に生まれた訳はなんでしょう。不安ばかりが積もっていく日々の中、土を触り種を蒔き苗を植え、本来そこにあった植物を育てることで心が落ち着きを取り戻すのは、そこに答えがあるからではないでしょうか。

さぁ2020年、森づくりというランドスケープ事業が始まります。

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