八ヶ岳の大泉に家をつくりたい、そうおっしゃるご夫妻からご依頼がありました。
まずは土地の声のヒヤリングに行きました。敷地は全体に赤松林に被われていますが、そこを抜けると斜面の下に美しい渓流。とても希少な条件です。
この土地に出会えたのは幸運としか言いようがありません。
住まい手ご夫妻は、それぞれに広告デザインで活躍している超多忙な都会人です。
ご要望をヒヤリングするため仕事場にお伺いしました。いつも大騒ぎの駅周辺を足早に抜け、たどり着いた神社に隣接した古いビルディング。つくり手の感触を感じるRC造です。
「この仕事をしていますと、たった一週間前のことがずいぶん昔に感じてしまうくらい日々めまぐるしいです。」
そうであるからこそ心のシェルターを求めたのですね。都会の仕事場は淀みのない純真な好奇心が緻密に詰まった、まるで宝箱のようでした。山につくる家も人々に夢を与えるアイデアをたくさん生み出す、たからばこの家にしたいと思いました。