三隻の舟Ⅰ

三隻の舟Ⅰ

設計:中村大補

24.03.11

外観模型 —舟—

土地傾斜は約2寸勾配。なので屋根も2寸勾配。
自然の中に建築をするにはルールがあります。
パッシヴデザインです。
中村だいすけ@PDO

24.03.08

インテリアパース —どこかレトロ感を―

オーナーが望んでいることは、管理別荘地の持つ独特のレトロ感を意識したいということ。
古びた感じのする板張りと赤レンガ・・・、新築然としてピカピカモダンは避けたい。
インテリアの構成もそんなことを意識したい。

この家は、オーナーの会社のスタッフが自然と触れ合いながら仕事をする場です。
普段は海の街。そこから標高1600mの森の中。

ウエットな自然を感じながら感性が触発されることを期待しています。
出来るだけそれに即したマテリアル構成をしたいと思います。

中村だいすけ@PDO

23.12.21

エレベーション —ひっそりと―

建て主が外観に望んだことは、
ひっそりと環境に溶け込むような佇まいと、
板とレンガを用いるということです。

板壁は一見耐久性に劣る材料と思われがちですが、
下地の防水張り、通気層がきちんと施工されていれば、
30年もすれば古いコートを脱ぎ捨てるようにして、
損傷なく張り替えすることができます。
(もちろんコストは積み立て必要ですが・・・)

きちんと水を捌く設計となっていれば
建物周囲に湿気が滞ることもないのです。

23.12.14

セクション —3スキップ―

約10分の2の地面勾配です。

エントランスデッキ、仕事スペースと、
リビングキッチン・水回りと、
寝室と、
3レベルのフロアがスキップする考えです。

それを10分の2寸勾配の片流れ屋根が覆います。

頂部には見渡し良いロフトとなります。

多雨、多雪、地面流水に抵抗せず受け流す
断面計画です。

中村@PDO

23.12.07

プラン —まるで舟—

自然の流れに対抗はしません。
それが快適な家であり耐久性の良い家となります。

まるで舟のような平面形のプランを考えました。
土地は約10分の2勾配もあり、
建築としては「急傾斜地」と言えます。

その傾斜に沿って、
寝室レベル、LDKレベル、仕事スペースレベルの
3フロアがスキップしている空間です。

男女6人が同時に寝食ともにし
大自然に触れて仕事に励む家です。

中村@PDO

23.12.01

サイトプランイメージ —水を分けて進む船—

この3敷地はとてもみずみずしい植生に恵まれていますが、
共通して表流水、伏流水にさらされています。

ここに建てられるべき建築はこの水に対抗するのではなく、
受け流すことを考えます。
まさに波を乗り越えて進む船のようでなければいけません。

W;ワーケーション棟・・・
建て主の社員が自然の中で仕事する家

R;レジデンス棟・・・
先代から受け継がれた山荘のイメージを大切にした家

G;ゲストハウス棟・・・仕事系、友人系を招く家

まずはワーケーション棟の計画、
工事を先行することになりました。

中村@PDO

23.11.25

既存調査—二つの流水—


スキー場からも近い雪の多いエリアです。
地面はかなり湿潤です。

3区画まとめての計画です。
既存の家屋はすべて取り壊すことになります。
調査をしました。

秋で多雨期でもないのにこのエリア全体に幾筋もの
表流水があります。
ところどころから湧水もしています。
伏流水も多い証拠です。
その水が家に向かって流れてきているようです。

既存家屋はどれもその流水を
受け止めるように建っていますので、
家の裏手はひどく湿気で傷んでいます。

新しく建築するにあたり、
快適で耐久性のある家にするために工夫します。

中村@PDO

23.11.20

三隻の舟Ⅰ



東急リゾートは蓼科の奥座敷ともいえる美しいエリアです。

古くからここで別荘として楽しんできた今のオーナーは、このレトロ感、不便感に大変満足されているようです。
ただ、かなり老朽化しているようです。

また、南隣家、東隣家が売りに出されました。そこでそれを買い取り、オーナーの家を中心にして、社員のワーケーションのため、ゲスト接待のための3棟を建て替えしようと計画しました。

それぞれに違う機能をもつ3棟は独立をしながらも関わりあう、そんなイメージをもってご相談に来られました。

中村@PDO