クランク・ロビンの家

クランク・ロビンの家

設計:中村大補+橋爪賢一

20.06.13

竣工 ー火入れ式ー


八ヶ岳も梅雨入り。高原では肌寒いくらいです。
本日はご夫妻にお越しいただき建主検査と薪ストーブの火入れ式。
アンコールのトワイライト色。シックな大人の空間に似合っています。
フレームオンの高橋さんの熱のこもった説明に耳を傾けています。

細田@PDO

20.05.25

造園植栽打ち合わせ ー自然の力を借りてー



足場が外れた現場にご夫妻でお越しいただきました。
一段と緑が濃くなった環境の中で落ち着きのあるとてもよい佇まいです。


工事でむき出しになった地面の緑地回復のため植栽などの打ち合わせ。敷地内には貴重な野草も多く調査をしながら移植も予定しています。アプローチからの建物の見え方、リビングからの薪ストーブ越しの景色。様々なシーンを描きながらの緑のデザインです。

建築とは違い、自然の力を借りた時間のデザインともいえます。

細田@PDO

20.05.12

外壁塗装工事 ー足場撤去に向けてのまとめー


現場は外装の仕上げ工事も進んでいます。
外壁上部は板張りに塗装仕上げ、下部は左官塗り、そして一部大谷石貼りがあります。


外壁上部は足場作業となるので、足場の撤去に向けて高月さんも板張り部分の塗装作業のまとめに移っています。

足場が撤去されると建物の姿が顕になります。
その日を楽しみに着実に工事を進めていきます。

PDO清水

20.04.25

現場視察 ーとんぼ帰りー


非常事態宣言の対象が全国に広がりまもなく2週間。感染リスクを減らすためにZOOMなどでの打合せも増えています。しかし現場に身をおき検討しなければいけないこともあり本日はご夫妻にお越しいただきました。

ロールスクリーンや造園植栽の下打合せです。リビングや寝室からの目線を意識しての南側の庭。北側のカバードデッキと2階からの目線を考えた石積み上部の斜面。土壌の保護のためにも早めの緑化が必要です。熊笹? 野草?
好みの樹形やイメージなどを共有して次回の打ち合わせでご提案です。 
愛さん、出番ですよ!
細田@PDO

20.03.30

天井板張りはじめ ―白染色板―


屋根断熱はウレタン吹き付け厚180mm以上です。
勾配型天井のデザインが多いPDOでは天井裏の空間は最小限です。
ウレタンを吹きつけ放しであれば気泡が開放されていませんから
室内発生湿気は吸収しません。
べーパーバリアシート張りはせず天井板を張ることができます。

この家では、床はウォールナット、木枠、板壁部は
すべてこれに合わせて濃い茶色に染色しクリアーラッカーで仕上げます。
ただしすべてをそうしますと空間が暗くなってしまいますから、
逆に天井板は白色に染色しバランスをとります。

はじめさんが天井板を張り始めました。

中村@PDO

20.03.11

腑に落ちる瞬間 ―アクセントクロス―


現場は大工工事が順調に進んでいます。
断熱工事が終わったところでオーナーにお越しいただきました。

LDKの吹き抜けは一部壁を斜めにしてアクセントクロスを貼る計画です。
この空間の見せ場でもあります。
あらかじめ取り寄せたA4サイズのサンプルを並べて貼り、
直感で「これは違うな」というものから外していきます。
最後に残ったのはオーナーが命名した「八ヶ岳ブルー」と
中村が「ワインが飲みたくなる」というエンジの壁紙。
さて、どちらに決まるのか。

一旦頭から外して現場を見て回ります。
そして再び壁を見上げて検討再開。
茶染色の板張りやウォールナットのフローリングとの相性から、
エンジの壁紙に決まりました。

橋爪@PDO

20.02.27

断熱工事

3日間をかけて断熱工事を行いました。

λ=0.034という性能のウレタンフォーム100mmを
壁内、屋根裏には吹き付けます。
「内」断熱、いわゆる充填式です。

新省エネ法の外皮計算では「外」でも「内」でも
性能数値に変わりありません。
ただ、λ=0.034は吸湿がありますので
室内側のポリシートは必須です。

中村@PDO

20.02.19

木工事すすむ ー下地づくりー



木工事が順調に進んでいます。サッシも取り付き空間イメージができるようになってきています。仕上げを支える大工の下地づくり。隠れてしまう部分ではありますがその良し悪しが空間の質に大きく影響します。いつもながら大ちゃんの丁寧な仕事です。

細田@PDO

20.02.06

上棟式 ー工事の安全を第一にー



ご夫妻は雪のない鉢巻道路(八ヶ岳の西麓を走る道)をノーマルタイヤでドライブ、本日は青空のもと上棟式と打合せです。1月の建て方から天候に恵まれて無事に式を迎えることができました。お神酒、洗い米、塩で建物四方を清め、工事の安全と家の完成を祈願しました。

お父様が八ヶ岳の地に描いた夢を30年の時を経て受け継ぎ、家族が集う場が形になりつつあります。数年後にはそれぞれの道を歩きはじめるお子さんたちを暖かく迎え入れる場です。


幣束棒にご夫妻と大工の名前を入れて屋根裏に納めます。高いところからみんなを見守ってくれることでしょう。

細田@PDO

20.01.22

建て方 ー青空のもとでー


鈴木大工、堀内大工と応援の4人合わせて総勢6人。気心の知れたいつものメンバーで現場は順調に進んでいます。初日の夕方には棟もあがり二日目には建物の形もだいぶ見えてきました。


天気が崩れる前に屋根をまとめて2月上旬の上棟式を迎えます。

細田@PDO

19.12.12

基礎完了!―年越し準備へ―

いつもの年よりも暖かいとはいえ朝晩は氷点下になります。
「こんなに寒くてコンクリートは癒えるんでしょうか?」
たいがいのオーナーはこう言って心配されます。

もしコンクリートが凍ってしまったら?
それは一目瞭然、黒ずんでぼろぼろで強度はまるでありません。
そんなことは万が一にもあってはいけないこと。

コンクリートの温度補正(気温に応じた強度調合)をプラントで
しっかりと施す上に、打設後しばらくはシートですっぽり覆って養生します。

そんなことを経て、素晴らしい基礎が完成しました。
ただここで油断してはいけません。
年明けの建て方まで間があります。
スラブ部が寒気に晒されないようにこれから暖か養生をします。

中村@PDO

19.12.04

埋め戻し~PC加工

現場では基礎工事も大詰めです。
存置期間をへて型枠を外し、埋め戻しが終わりました。
引きつづき防湿コンクリート、土間コンクリートの施工に入ります。
一方で、年明けの上棟を目指し、構造材加工の段取りを進めています。
プレカットオペレーターとmm単位の緻密な図面のやり取りをします。

PDOの建築は難易度が高いと言われています。
オペレーターの松田さんも脳捻転にならないか心配です。

中村@PDO

19.11.29

配筋検査―今年は寒くならない―

今年は寒くなってくるのが遅いです。
それにかかわらず規定通りのコンクリート温度補正は必要です。
配筋検査は私と、保証機構検査官のWチェックとなります。
是正事項なしの良好な工事です。
午後から、ベース部分のコンクリート打設です。

中村@PDO

19.11.06

根伐底確認

砕石パイルによる改良工事は3日間で完了しました。
設計は布基礎構造です。
仕上がり地面まで砕石パイルを施工しましたので、
凍結深度かんがみ、根伐をはじめました。
根伐底の確認は重要なチェックポイントです。
このところ晴れもつづくようです。
順調に工程は進みます。

中村@PDO

19.10.28

切土整地―キツネ土―


敷地傾斜角は約10度、勾配にして10分の2近くあります。
伐採前の状態で見るとそれは大したことがないように見えますが、
建築用地としては立派な「傾斜地」です。
敷地形状が縦長ですから等高線に沿った横長プランはできません。

対応するためにクランクロビンの家では北側を切土し、縦長をクランクした計画です。
地盤調査の結果は「杭による改良工事要」となりました。
調査データを見ると、かなり浅いところに自沈層(沈下するかもしれない柔らかい層)があります。
えっ!富士見高原で自沈層?
杭施工する?しない?もちろんしましょう。

切土しましたらデータ通り「キツネ土」が出てきました。
遠目で見ると良好なローム層ですがこれは間違いなく自沈層です。
PDOでは環境杭と呼ばれる砕石パイルで施工します。
40本です。

中村@PDO

19.10.24

伐採 ―唐松巨木さようなら―


50年前に分譲地開発された富士見高原保健休養地は
当時は明るい草原だったはずです。
今ではカラマツの巨木が空を覆い、
暗いばかりではなく倒木の危険もある森となっています。

当時は森林回復にカラマツの苗をこぞって植えたのでした。
それが広葉樹の苗であったらどんなに良い森になっていたでしょう。
基礎工事に先立ち、まずはこの唐松巨木の皆伐から始めなければいけません。
皆伐、というと抵抗感のある方々も多いでしょう。
広葉樹の森を取り戻すためには仕方のないことです。

今日で着手4日目。
今まで成長が抑えつけられていたリョウブやズミ、ダンコウバイが喜んでいます。

中村@PDO

19.10.16

インテリアパース ―空間の見える化―



図面で間取りの打合せをし、外観模型で建物形状をご覧いただきました。
インテリアパースでは内部空間を共有していきます。

敷地で写真を撮り、それぞれの窓から見える景色を確認します。
リビングからダイニングキッチンを見たアングルでは
勾配天井が2階に延びていく様子が分かります。
吹き抜けに面した壁は斜めになっていて、
上部はガラスで視線を抜き、足元は通風のための建具が入ります。
斜めの壁はアクセントクロスを貼るとより強調されます。

キッチンまわりは造作家具にして一体感を高め、
庭にロビンが出ないためのストッパーは出来るだけシンプルな作りに・・・
などなど、多くの事を立体的に確認しながら空間の密度を高めていきます。

橋爪@PDO

19.10.02

外観模型 ―傾斜地の佇まい―



プレゼンテーションで間取りや外観といった大づかみの方向性を共有しました。
まずは分かる範囲でご要望をいただき、少しずつ形にしていきます。

今回、家を建てる目的の1つがご家族が集まれる場を作ること。
そのためゲスト用の寝室はある程度の広さが必要です。
各階に洗面・トイレがあるとより便利です。

原案から寝室を広げ、水まわりを設けると2階が大きくなります。
それによって外観がどう変わるのか、、、
模型を作りご覧いただきました。


ご自宅に伺うとロビン君が迎えてくれました。
お気に入りの段ボール箱でお腹全開です。
「ロビン~」の声掛けに反応し可愛らしい姿を見せてくれました。

橋爪@PDO

19.09.26

プレゼンテーション ―構想を具現化―


一枚のスケッチからどんな家が建つのか。
検討のためお時間をいただきました。

敷地は勾配約10°の傾斜地です。
移動は車ですから玄関前までアプローチできると便利です。
そのため車窓から見える姿が建物の「顔」となります。

一方、北側は完全プライベート空間です。
朝日の差し込むウッドデッキやアウトドアファニチャー、
ファイヤープレイスなど楽しいしかけが満載となりました。

話題は建築にとどまらず、造園計画や家具、家電へと広がります。
予算感も踏まえながら基本設計に反映していきます。

橋爪@PDO

19.09.19

クランク・ロビンの家


5年ほどは週末住宅、その後は2地域居住というライフスタイルの家の計画です。もう30年以上も前にお父様が購入した土地です。当時はさほど建築イメージもなく決めたことでしょう。
「果たして思い通りの家が建つ敷地なのか?」
そんな不安をお持ちになってのご相談から始まりました。

緩い南西傾斜の縦長の地型。境界線からのセットバック規約を遵守すると、おのずと家の間口寸法は決まってきます。猫の話、息子さん方の話などお聞きしながら、その場でとてもまとまりのある構想がスケッチできました。

クランク状にプラン計画をすることで、南にオープンなサンデッキ、北に室内の延長のようなダイニングデッキ。

楽しみな計画のスタートです。

中村@PDO