アイテムガレージの家

アイテムガレージの家

設計:中村大補

17.05.11

どちらが良いでしょうか?

どちらが良いでしょうか
もんがく平は八ヶ岳連嶺、西麓の田園風景、南アルプスを見渡せる天上の地です。
かつては企業の保養施設コテージが点在していたところを再び整備したようです。土地選びからご相談をいただきました。最終的に隣り合った2敷地に絞り込みました。

「さてどちらが良いか?」

どちらもよいですが試しにゾーニング計画をしてみましょう。どのように暮らしたいか?将来的にも価値が維持できるか?近隣との関係は?などなど考えマクロ的にプランニングしました。

中村@PDO

17.05.20

プレゼンテーション ―浮遊と二面性―

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昨年秋に作案したプランはオーナーの要望を満たしたものではありませんでした。
「山並みを浮遊する家」「二面性のある家」がテーマと伝えられました。

もんがく平は天上の別天地です。
これほどに八ヶ岳連嶺と南アルプスが見渡せる土地は奇跡ともいえます。
テーマの一つはこの山並みと生活空間の一体化。
もう一つは多少禁欲的ともいえるシンプルデザインと遊び心のある癒しデザインの
二面性を楽しむ家。

マクロ視点で土地から得た家のインスピレーションを大切にし、
テーマに沿ってプランニングをしました。

三輪バイク、マウンテンバイク、カヤック・・・
遊びアイテム満載のガレージをもつ魅力的な案ができました。

中村@PDO

17.06.15

基本設計―インテリアパース―


一通り手描きのデザイン検討に目途がつくと、インテリアパースを起してみます。
PDOの設計では珍しい2階のリビングダイニング案です。
どちらかというと都市生活ではまずありえない地面と生活の連続をデザインすることが多いからです。
「アイテムガレージの家」の立地条件で、他ではない良さは「空」です。
八ヶ岳連嶺と夜景と南アルプス。
ハンモックを吊る浮遊デッキとリビングダイニングは一体化します。

中村@PDO

17.06.21

外観模型―高低差の活かし方―


道路よりも下がっている敷地。
一般的にはプラン作成の制約、難しさから敬遠されがちでしょう。
でも、それも活かし方次第。

家のニックネームにもなっている「アイテムガレージ」とは
バギーバイクやマウンテンバイクが格納された基地です。
これは地面とつながる必要があります。

一方でカーポートや広角な眺望を取り入れるLDKは道路レベルと同じ高さが必要。
環境とオーナー要望両方を実現するのにもってこいの敷地と言えるでしょう。

機能的なプランとなりました。

中村@PDO

17.08.11

床鎮めの儀   -宇宙に舞うきりぬさ-



天空の別天地「もんがく平」も工事休止期間に入り静かです。
ご家族にお越しいただき地縄確認と土地のお清め。


「おじちゃん、はやくお家つくってね!」
自然の中で大はしゃぎのひなちゃんの声、中村には聞こえたようです。

でも時間をかけるべきところはじっくりと。
「悠々と急げ」です。

細田@PDO

17.09.04

実施図読み合わせ―キッチン変更!―


全41枚にもなる実施設計図が一通り完成しました。
今日はオーナーとそれを読み合わせします。
キッチンについて要望が出ました。
「今更なんですが・・・・・」
そのための読み合わせですからもちろんOKです。

ご要望はこんなことですね?
イラストにしてみました。

中村@PDO

17.09.08

着工!―巨石ごろごろ―



今日から基礎工事現場入りです。
9時に到着しますと早速掘り始めています。
2トンほどの巨石がごろごろ出てきていますね。
周辺現場では出ていなかったので意外です。
でもこの程度なら来ている重機で対応できます。

道路から下がっていますから低い地面のどこを基準にして基礎天端を決めるか?
それはとても重要な判断どころです。

中村@PDO

17.09.26

配筋検査―手慣れたもんだ―


最近ではへの字基礎も手慣れたもので長田さんも愚痴は言わずに手際よく進めています。
コンクリートの継ぎ目が地中になりますから止水板という樹脂製の堰を鉄筋に固定します。
これがなかなか難しのです。
でもこれも手慣れたもの。

今日は組み上がった鉄筋の検査です。
チェックポイントはL字部、T字交差部に集中しています。
問題ありません。

さあ、保証機構の平塚検査官さんどうぞ。

中村@PDO

17.10.26

基礎完了―プレカット準備万端―

それにしても今年の秋は雨ばかりです。
それでも見事に基礎は出来上がりました。

その一方で、木構造材の工場加工(プレカット)の打ち合わせは進んでいます。
「アイテムガレージの家」はPDOではまれな総2階型です。
環境、生活両方の要求を満たすために必然性があります。
CAD技術者のノリモトさんが軸組を3Dパースにしてくれました。
一番面白いカットをご覧に入れましょう。
宙に浮いた木組みを下から見上げたカットです。

中村@PDO

17.11.01

建て方準備 ー土台敷き—



精巧に加工されたプレカット材の第一便が現場に搬入されています。
来週の建て方準備で本日は土台敷きを行っています。

好き好んで曲げている訳ではないと中村はよく言いますが今回も
曲がっています。
環境と絡み合う「への字」のタイプ。
複数の視点が生まれ思いがけない眺望もつくりだします。

細田@PDO

17.11.09

祝・上棟! ー木工事はじまるー



入念な準備をへて建て方が行われました。
棟梁率いる大工チームで手際よく予定通りに棟上げです。

数ヶ月かけ中村の設計図を読み込みながらその形を組みあげていきます。
設計意図の奥にある住まい手の想いや熱。
それを感じて表現していくことが私たちの仕事でもあるのです。

たくさんの人の手にかかり建築は生まれ育っていきます。

細田@PDO

17.11.11

見えてきた!―ワクワク―


上棟3日目。
屋根の下地板を張っている頃です。
秋晴れで空気も澄んでいます。
自身の設計を評価するまずは第一歩。

見えてきました!
あぁなんて美しい・・・。軽やかな水平線が青空に浮いている。


到着するとまずは気を正してエントランスから入っていきます。

眩暈がするほどよい空間・・・・。

中村@PDO

17.11.12

縁起の良い日にー祝上棟式ー


まるで祝福されたかのような雲ひとつない大晴天という縁起の良い日。
八ヶ岳、南アルプス、北アルプスまで見える大展望に立つアイテムガレージの家の上棟式が行われました。

お神酒、お米、お塩で建物の四隅を清め、建主様、棟梁と共に、これからの木工事の無事を祈ります。

上棟式の後は、近くのお店にて、棟梁への労いを込めて建主様に上棟のお祝いの席をもうけて頂きました。

祝 上棟!
おめでとうございます!

兼清@PDO

17.12.09

上棟金物検査―隠れてしまうもの―


在来木造とはツーバイフォー工法の対義語です。
あくまでも日本では、ということです。
国際的に言えば在来工法とはツーバイフォー工法のこと。

この工法のメリットは何と言っても設計の自由度です。
また、日本の伝統構法から学んだ木組みの美しさをデザイン表現に出来ます。

デメリットは?かつては地震に弱いとされていました。
また、気密性が劣ると言われていました。

PDOの在来工法はこれを克服するハイブリット工法です。
在来工法の良きことを活かし、強度、気密性はツーバイフォー同等です。


さて、本日は第三者機関ともいえる保証機構の上棟時金物検査です。
平塚検査員は私が現場到着するずいぶん前から検査を始めていました。
検査内容はすべて事前にチェック済。
構造木材の金物緊結、合板の釘長さとピッチ、サッシ回りの防水・・・。
完璧ですね。

中村@PDO


18.03.05

R壁 ―龍の気概―

龍さんは知恵を使うのが大好きな大工さんです。
「普通なことじゃつまらない」と言わんばかりにPDO建築に意欲的に取り組みます。

導線を滑らかに、出っ張った角をやさしく、外観の陰影に変化を・・・・、
この家ではRが多用されています。

デザインする私は造作の苦労を知らないからこそ美的機能優先で図面を描けます。
書庫の区画をR壁で囲いました。
実は木造で滑らかなRを造ることは難しいことです。

見事に、美しいR壁ができつつあります。
まだまだ下地ですがこの美しさ・・・・。

中村@PDO

18.04.30

引き渡し―白いストーブとハンモック―


八ヶ岳の峰々はまだ残雪が多く残ります。
この時期登山の装備はまだ冬山並みなので要注意ですよ!

もんがく平は絶景地です。
この家ではLDKを2階にしたことで、まるで宙に浮く船のような空間となりました。
GWを堪能いただくためにお引渡しです。
まずは薪ストーブへの着火式。
家に魂を入れるのはオーナーの仕事。
白いホーローの本体はこの家のデザインコンセプトに合致してとても美しいですね。
炎を動画撮影!

空中デッキでは、細田がハンモックで最高な気分を味わっていました。

中村@PDO

18.05.06

アボガドグリーンのphランプ

引き渡しの日。
荷物満載で新居到着です。
テーブルの到着を待っているのはオーナーばかりではありません。
アボガドphも相棒がいないので落ち着かない感じです。

ホワイティーな空間にとても美しいデザイン。
1958年ポール・ヘニングセンのデザイン。
全然古くならないですね。

中村@PDO