たからばこの家

たからばこの家

設計:中村大補

17.06.01

完成!―渓流新緑―

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都会で夏日更新などと伝えられる中、ここでは清々しい新緑の季節です。
完成写真は今回も写真家の松村さんにお願いしました。
撮影での主役はあくまで写真家、私はかばん持ち。

当初からオーナーが希望した渓流側と森側の2面性と環境に馴染む平屋型、
うまく表現が出来ていると思います。

インテリアでは、文豪の書棚、男らしいブラックチェリーの無垢テーブル、
高すぎず低くない天井・・・随所にこだわりのディテールが詰まっています。

まさにたからばこの家。

中村@PDO

17.05.10

火入れ式 ― ネスターマーティン―

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たからばこの家の薪ストーブはネスターマーティン S33 B-TOPモデル。
丸みをおびた優しいラインとクラシックでありながらモダンなフレームが印象的な、オーナー渾身のセレクトです。

ネスターマーティンの故郷はベルギー南部のかつての炭鉱町クーバン。
そのため石炭を燃やすことができるという珍しい特徴があります。

一通りの説明を終え、いざ着火!
ベンチに腰掛けながらオーロラの炎を見つめます。
和やかな火入れ式となりました。

赤田@PDO

17.04.22

ご機嫌クッション

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本棚と一体化したベンチは大工さんが丹精込めて作りました。
寸法精度にはとことんこだわりました。
完成検査の日、オーナーはここに置くクッションをもってきてくれました。
厚さ10センチでありながら座ってもほとんどつぶれない素晴らしい座り心地。
「コイル入りなんです。凄腕職人の仕事です。」とオーナー。
ご機嫌なクッションです。

中村@PDO

17.04.15

植栽デザイン

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家は完成しつつあります。
植栽のデザインがまとまりました。

もともとが密な林で敷地全体を赤松が覆っていました。
広葉樹を残し建築工事に先立ち伐採をいたしました。
確かに明るく風通しもよくなりました。
ただ、大型車の搬入もあり広く空いてしまった部分もあります。
元通りの林に戻すという手もあるでしょうがそれはこれから永い自然の摂理にまかせ、
しばしの間、人と共にある自然、楽しむ自然をつくらせていただこうと思います。

家を目指して道を進む先にイロハモミジ。
そして曲がり屋の入隅に大木となるイタヤカエデをシンボルとしましょう。
この2本のカエデのこずえがアプローチ道に覆いかぶさるように整えるのがイメージです。
玄関土間からの見通しにヤマボウシ。
2階の窓から空に向いて開く花を楽しみましょう。
樹木の植え過ぎには注意です。
最小限にして、様々な野草で色とりどり、ボリューム変化を付けるのが良いでしょう。

中村@PDO

17.04.07

鉄のかんぴょうデザイン

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「夕べは眠れなかったよ!」
肩幅が異常に広い松澤さん、実は繊細な方だったんですね。
だからほら、ちゃんと乗り込みの日に見に来ましたよ。
どれだけ難しいことを要求しているかはもちろん承知の上のデザインです。

真剣勝負の男の仕事、見事なアイアンワークです。

中村PDO

17.03.31

ブルーな扉

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「ブルーをどこかに使いたい」
洗面室の床にブルーを使うのはやめ、家具の扉に使うことを決めたのがおよそ2ヶ月前。
ついに造作家具の製作が完了し現場搬入されました。

オーナーこだわりのブルー。
空間に良いアクセントを生み出しています。

赤田@PDO

17.03.20

足場ばれるー感動で痺れたー

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外部塗り壁工事以外の仕上げ工事を終え、ついに足場がばれました。
同時に内部のベンチ、造作棚も完成し、いよいよ木完間近です。

中村も感慨深い面持ちでたからばこの家に見入っていました。

赤田@PDO

17.03.15

仕上げ工事開始! ―まずはタイルから-

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木工事も大詰めとなってきた現場では、タイル屋さんが現場入りし仕上げ工事も開始です。

まずはエントランスと炉台の割り肌の自然石。
陽の光に照らされ、特有の輝きを放っています。

赤田@PDO

17.03.09

進む!ベンチ造作 

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リビングにはソファではなく、ベンチ。
多くの友人たちが一堂に会しても、利用できるようにするためのオーナーからの要望です。
本棚に囲われるように配置されたL型のベンチ。
オーナーに座ってもらえるのを楽しみに待っているように見えました。

赤田@PDO

17.02.20

ガルバリウムコンポジション ―シャープなラインが美しい―

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過酷な自然から家を守るには庇が重要な役割を果たします。
ただ、時として庇のない一面を強調した意匠表現が求められることもあります。

「たからばこの家」では進入路に面してそんな壁があります。
庇の無い壁は耐候性に優れた屋根と同材のガルバリウム鋼板です。

下段は立平ロック葺、上段は長尺横葺。
同素材の葺き方をかえて構成美を楽しみます。

赤田@PDO

17.02.07

造作家具打合せ ―ブルーな扉―

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上棟もすみ造作工事も進んでいきますと、いよいよ造作家具の打ち合わせです。
日常の生活に直結する、手で触れるものなのでリアルな心持とならなければ
決まらないものです。
PDOでは住まい手がリアルにイメージできる打ち合わせタイミングを計ります。

ちょうどそのタイミングとなりました。
今までの打ち合わせで決定された床、壁、天井仕上げマテリアルも考えあわせ、
扉の材質、引き出し深さなど詳細に意見交換します。

「ブルーをどこかに使いたい」洗面室の床はブルーのリノリュームに決定しています。
キッチンの扉をブルーのデコラに、有力候補となりました。
そこだけというのはデザイン連続性を重んじるPDOとしては同意できないところです。
そこで、洗面台家具も同色素材でということになりました。

問題は床がすでにブルーに決定されていること。
床もブルー、家具扉もブルー・・・・・くどいです。
床ブルーやめましょう、素焼き色のテラコッタに変更です。

KIGくんごめん!

中村@PDO

17.01.24

どれどれ 〜雪の中の現場視察〜

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南岸低気圧が通過した翌日八ヶ岳の南麓はご覧の雪景色。
でも大したことはなかったですね。
青空広がる中ご夫妻には家具打合せも兼ねて現場視察にお越しいただきました。

自ら描いた一枚のスケッチが形になっていくプロセスにワクワクしながら建物を一巡り。
足場に登り屋根の表情もしっかり確認です。

細田@PDO

17.01.17

もくたて―大開口の木製建具―

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先人の遺したディテール図をもとに今まで何度も外面開口部を、
「もくたて」木製建具を引き戸で造作することに挑戦してまいりました。
誰もが真似るあの全面開口引き戸。
複数の建具がスライドして戸袋に収まり、室内があっという間に外部環境と一体化する。
夢のようなことです。
でも、現実にそのようなことをするのは竣工写真撮影時一度きりなのでは?
自邸はじめほとんどの実作で経年変化で開閉困難となりました。

解消するためには木の伸縮を許容する余裕(隙間)が必要です。
寒冷地建築に求められる「気密性」「断熱性」を犠牲にしてしまうわけにはいきません。
それに加え、ガラス戸だけでなく網戸、雨戸、遮光スクリーンなどもセットで必要です。
多くの要素を盛り込みなおかつ性能を確保する、最高難易度の納まりデザインです。

「ここは何としても木で造った大引き戸にしたい!」オーナーのたっての要望です。
でも任せてください。
経験と苦心のたまものディテールデザインで、もくたて大開口造作中です。
(気密性、断熱性、網戸付き、遮光スクリーン付き、フル装備!)

中村@PDO

17.01.06

柿渋塗装

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今年の仕事はじめは雪が全くなく幸運そのものです。
今日から塗装屋さんも現場入りです。
内部木部の仕上げは柿渋塗装。
柿渋は化学物質を含まない天然塗料です。

そんな柿渋の難点は臭い。(もちろん乾けば無臭です)
銀杏のような独特の臭いがするのです。
最近ではDIY向けなのでしょうか、「無臭柿渋」なるものもあります。
しかしこれは発色が著しく遅いのでお勧めしません。

職人さんには申し訳ないですが、臭い柿渋でお願いします!

赤田@PDO

16.12.30

あったかくしてあげましょう―断熱工事―

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大工工事、サッシ工事、配線工事も終え、すべての状況が整いました。
今年の締めくくりは断熱材の吹き付け工事です。
トップランナーの基準を建築後も長きにわたって維持するために、
この工法は最適とかんがえています。
水で発砲するウレタンは工事者にとっても居住者にとっても無害です。

年明けからはこのエリアではいよいよ冬本番。
これで大工さんはぬくぬくで工事が進めることができます。

中村@PDO

16.12.24

金物検査―地震対策の要―

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今日はいくつかある検査ハードルのうち地震対策の要ともいえる通称金物検査。
これは、コンクリート基礎から上、土台・柱・梁で構成され、構造合板でかっちりと固められた木骨組みを検査することです。
近年の大規模地震のたびに強化される基準、価値観に基づくものです。
すべての木構造材が地震時外れてしまうことのないように、
そこにかかる力の算定結果をもとに決められた緊結金物が正確に取り付けされているかを、
すべて確認し、画像記録を残していきます。
断熱材が吹き付けられると確認はできなくなります。
良いです。完璧です。

中村@PDO

16.12.16

電気配線工事

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外壁の構造用合板張りが終わり、硬質ウレタン断熱を吹付ける前に電気配線工事を行いました。
断熱材とケーブルが接触し、断熱材が影響を受けるのを防止するため、
外壁面と屋根面のケーブルはPDO特性さや管に通します。
この一工夫が断熱材を守るのです。

赤田@PDO

16.12.12

板金工事

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屋根の防水下地が完了し、板金工事が始まりました。

一枚ずつ板金鋏で丁寧に加工して唐草に引掛けていき、
見る見るうちに屋根が仕上がっていきます。

木口@PDO

16.12.06

上棟式―すてきなたからばこへ―

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今日は待ちかねた上棟式です。
丙串の組み立てにKIG君が手間取っていますね。
それではゆっくりとまずはご案内しましょう。
外から一周してみましょう。
あれ?ご主人の姿がみえませんね。
どうやら喜びのあまり一足先に走り回っていたようです。
モミの木の向こうから姿を現しました。
「見る角度によって表情が全然違いますね!」
「森に対して程よい大きさ!」
皆で苦労して検討した甲斐がありました。

シャイな棟梁が宮司代わりとなって
厳かに上棟の儀が執り行われました。

中村@PDO

16.11.23

祝、上棟!―自称晴れ男頑張れ―

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小松棟梁、小松大棟梁率いる4人の大工衆が手際よく、精力的に作業を行い「たからばこの家」ついに上棟です!

オーナーの希望である、遠目から見て平屋に見えるような外観が、ついに姿を現しました。
とても納まりの良いスケール感です。

赤田@PDO

16.11.19

土台敷き ―澄み切った青空の下―

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基礎工事が完了し、大工工事が始まりました。
小松大工が親子で手際よく土台材や大引材を配置していきます。
アンカーボルトにて基礎と土台は緊結されます。

足場工事も同時並行で行い、
建て方へ向けて着々と準備を進めます。

赤田@PDO

16.11.16

石積みは経験とセンス

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最近、よそで修業を積んで合流した力強い息子。
須田基礎もこれで技術のバトンが渡せて安泰ですね。
父親譲りの要領のよさで見事な基礎工事が完了しました。

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想定通り石はたくさん出ました。
基礎工事のフィニッシュは傾斜地面カット部の石積みです。
こればかりは須田巨匠の登場が必要です。
経験とセンスが必要なところ。
仕上がりをイメージしながら一つ一つワイヤーで吊り、据えていきます。
石積みの仕上がりは職人により面白いように千差万別です。
須田さんのセンス大好きです。

中村@PDO

16.11.07

コンクリート養生 〜成長を見守る〜

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「いよいよ垂直方向に成長を始めましたね!」
前日の現場報告写真をご覧になったオーナーからのコメントです。

ハードな仕事の合間を縫って、
ご夫妻で八ヶ岳まで現場視察にお越しいただきました。

紅葉と落葉の変化の森。
立ち上がっていく建物に感嘆の声をあげながら、
おふたりで見守っていきます。

細田@PDO

16.10.28

配筋検査

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基礎配筋が完了し、社内配筋検査を行いました。
各部寸法、根入れ深さ、かぶり厚さ、定着長さ等々
隅々まで目を光らせチェックをします。

是正指示事項無しのきれいな仕事です。

赤田@PDO

16.10.24

根切り底確認

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想定通り石がたくさん出た強固な地盤。
少し掘れば十分な強度が出ていますが、
寒冷地であるため深く掘り、根入れをしっかり確保します。

赤田@PDO

16.10.20

着工!―石、現る―

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建物部分の地面を整地し正確な位置出しをしました(丁張りと言います)。
すべての基準となる最終決定です。
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表土をならしただけでこれだけの石が出ました(想定内です)。

赤田@PDO

16.10.18

地鎮祭〜大安吉日に〜

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朝方まで降り続いた雨も上がり、篠原宮司のもと地鎮祭が執り行われました。
海の幸、山の幸、野の幸をお供えし、お神酒で土地の神様を鎮めます。
あわせて工事の安全と家の末長い繁栄も祈願しました。

吊り切り伐採で生まれかわった敷地をおひさまが照らします。
樹々の幹が枝を伸ばして葉を茂らせるように、
八ヶ岳の家も自然の営みと共に成長していくことでしょう。

細田@PDO


16.10.09

位置出し―秋晴れの日に―

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秋の長雨の合間のようやく晴れた日に
建物の位置出しを行いました。

家の中から見える景色を確認しながら
建物の最終位置を決定します。

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蛇行するアプローチから建物の見え方も確認します。
もう間もなく着工です!

赤田@PDO

16.10.03

いざ展開図解読!〜図面読み合せ〜

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HEさんが中村の設計意図を汲みながらまとめた実施図面。
地鎮祭を来週に控えて、本日は読み合せです。

今まで外観模型やインテリアパースでイメージのすり合わせを重ねてきました。
この段階では展開図を起こして、各部屋毎に北東南西の順番に窓の大きさや形状、取り付け位置などの最終確認をします。合わせて空間の中の造作家具についても方針のすり合わせを行います。

中村が平面図に該当する展開図を重ね合わせて、解読の仕方を説明しています。
平面図だけでは気づきづらい工夫や配慮が盛り込まれています。
ご夫妻でじっくり解読していただき、着工時決定図の完成です。

細田@PDO

16.09.05

製材へGO!

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敷地内にあった樹齢70〜80年と思われる立派なカラマツ。
この土地の最年長者ですが、アプローチにかかっており、伐採されることになりました。

オーナー夫妻が、赤松主体のこの土地に惹かれた訳には、林床に育ちつつある広葉樹の幼樹や
立派なカラマツの存在もありました。
そこにあるものを活かしたいとのご夫妻の想い、林業の行く末を考え、地域の木材を活用していく道筋を探っている天女山の想いが重なり、アウトドア利用を前提として製材することになったのです。

アウトドア用のテーブル天板や斜面下の渓流へ導く階段のステップ。
そんなアイデアも幾つか出ており、楽しみなことがまた一つ増えました。

細田@PDO

16.08.30

伐採工事

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針葉樹が生い茂っていながらも、たくさんの広葉樹の稚樹が顔を出していた「たからばこの家」計画地。
いよいよ、伐採工事が始まりました。
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30m級のアカマツやカラマツを人間と重機の
ナイスコンビネーションで、どんどん伐採していきます。

赤田@PDO

16.08.08

地盤調査 -巨石さま-

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調査方法はスウェーデン式サウンディング試験です。
スクリューを取り付けたロッドに荷重と回転を与え、どれだけ貫入していくかにより地耐力を調べます。
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今回は8ポイントを調査しました。
各ポイント、一定の深さまで貫入していくと、石にあたります。
おそらく巨石でしょう。想定通りです。

「巨石」、取り出す?

いえいえ、そんなことはいたしません。
長い年月を経て木の根、土、石などによって形成されている地盤。
この石たちが強固な地盤形成に重要な役割を果たしています。
これからもどっしりとかまえ、「たからばこの家」を支えてくれることでしょう。

鈴木@PDO

16.07.19

インテリアパース ―モワモワっと毛穴が・・・―

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基本設計もいよいよ固まってきました。
このあたりで3次元検討です。
平面、展開図では把握しえない空間把握ができます。
最終的にオーナーにご提示するまでに骨組み構造、
窓配置、造作家具デザインなど総合的に検討を繰り返し、
やっと絵は完成します。
同時に基本設計の密度は高まります。

「具体的にイメージが湧いてきて、モワモワっと、毛穴が開いてきた感じです!」
オーナーの言葉そのままです。さすがな言語表現です。

かつての設計者は「細工は流々仕上げを御覧じろ」とばかりに、
イメージの共有には重きを置きませんでした。
今ではそうした考えではなく、設計者、オーナー、職人など、
家づくりに関わる全てのみんながワクワクを同時共有し
良いモノづくりにまい進することこそ何よりも大切だと考えています。

インテリアパースはそうしたことを実現する強力なツールです。

中村@PDO

16.06.06

再び敷地へ〜あるべき姿をともに感じる

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生命感にあふれ、魅力的な空間である敷地に、GW明けにご夫妻と訪れました。

スケッチを手にその場に一緒に立ち、設計の意図を感じ、確認する大事なプロセスです。
通り抜ける風、木々の間から差し込む光、渓流の水音。

この場にふさわしい建物のかたち。
まだ見ぬ姿をしっかりと共有することができたようです。

さあ、うずまきスタジオに戻り、設計方針を固めます。

細田@PDO

16.06.02

改良案スケッチ

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初提案図は基本的には気に入っていただきました。
敷地の素晴らしさを建築プランに置き換えることはうまくいったと思います。
さて、そこからが本番。
一度頭を冷やして、生活をイメージしながら再びご要望を出していただきました。
渓流側には足ブラ座りする家に沿わせた長い濡れ縁、
何よりも遠目に見て平屋に見えるような外観、
渓流を見おろし、音を聞きながらつかる浴室配置、
壁面全部が本棚のリビング・・・・、
などなどワクワクイメージをお伝えいただきました。

そして平面プランのスケッチです。
同じ1階プランでも、外観は2階ロフトの空間の形によっていくつかのパターンがあるでしょう。
3通りに整理しました。
真に環境に即し、要望に即したものはオーナー、建築家両者が合意できるはず。

用意万端で再プレゼンテーションに臨みます。

中村@PDO

16.04.25

建築中案内


プレゼンテーションでご提案した内容を補完する意味でも建築実績の案内は欠かせません。
家は住み手と環境との要望を建築家が解釈し、青写真にして描くものですが、そのために出来る限りの価値観の共有が必要です。
同じ花、同じ風景を見て美しい、と思えなければ安心して委ねることはできません。

設計初期のご案内でまずみなさんが気になるのは間取り。PDOの設計は同じものが一つとしてないので、その場その住人によって解が全く違います。なので間取りが面白いのです。
「こんな住まい方があるんだ!」という感じです。でも私たちとしては、このご案内の中で多くの情報を引き出そうとします。

「節のある板はどう思いますか?」
「集成木材は抵抗感ありますか?」
「床の色は濃い色、明るい色どちらが?」
「気になる匂いがしませんか?」

などなど何が好きか?というよりも何が嫌いか、抵抗感があるか?など今後の設計を進めるうえで重要です。

中村@PDO

16.04.18

プレゼンテーション

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「こうきましたか・・・・。」
一通りご提案図の説明がおわるとそのようにつぶやかれました。
 
頭の中で、または机で構想していることと違い、私の手法は変わっています。ライフスタイルなど要望を携え、土地の声を聴きながらその場で感じ、私を通して手が動いた結果、構想された家の形は私自身も想像しきれないものです。
 
などと申しますと無責任に聞こえますでしょうか。でも、無駄がなく、さまざまに土地の良さと触れ合えるシーンを持った、住まい手らしい家の提案ができたと思っています。
 
提案はこの先進めていくうえで底辺となればよいと思っています。
 
中村@PDO

16.04.13

敷地構想調査

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住み手ご夫妻の要望はお聞きしました。再度敷地に赴き、そこにあるべき家の姿を見出さなくてはいけません。
 
私はローソンのカツサンドが好きです。音楽は最近、幻想的なアイリッシュミュージックを聞きます。それらを携えて敷地に向かいます。一般的な敷地調査とは目的が違います。まず、その土地の中で一番良いところを見出す。そこに腰かけてカツサンドを食し、性能の良いヘッドホンできれいな音楽を聴きます。次第にそこにあるべき空間の形、自身を包む空間の形が見えてきます。
 
今回は早かったですね。1時間かかりませんでした。
 
中村@PDO

16.04.05

ヒヤリング ―森をぬけて街へ―

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八ヶ岳の大泉に家をつくりたい、そうおっしゃるご夫妻からご依頼がありました。住み手へのヒヤリングに伺う前日、まずは土地の声のヒヤリングに行きました。敷地は全体に赤松林に被われていてますが、そこを抜けると斜面の下に美しい渓流が沿うようにあります。とても希少な条件です。この土地に出会えたのは幸運としか言いようがありません。
 
住まい手ご夫妻は、それぞれに広告デザインで活躍している超多忙な都会人です。ご要望をヒヤリングするため仕事場にお伺いしました。喧噪、というよりも常に大騒ぎの駅周辺を足早に抜け、たどり着いた神社に隣接した古いビルディング。最近の胸が悪くなるような予定調和なデザインとは違い、つくり手の感触を感じるRC造です。
 
「この仕事をしていますと、たった一週間前のことがずいぶん昔に感じてしまうくらい日々めまぐるしいです。」
 
そうであるからこそ心のシェルターを求めたのですね。仕事場は、淀みのない純真な好奇心が緻密に詰まった、まるで宝箱のようでした。
 
中村@PDO