15.12.20
群馬・森の巣づくり
7年前に手がけた「チェロキーレッドの家」オーナーからある日電話をいただきました。「私は中村さんの家をこの群馬でひろめたい!」端的に言えばそんな趣旨でした。16年間の永きにわたり桑沢デザイン研究所という学校で住宅デザインを講義してきました。延べ1000人以上の若者に情熱をこめて自然とは?人とは?家とは?考えを伝えてきたつもりです。それでも結局バトンを渡せたのは、一体何人にでしたでしょうか・・・・。
「チェロキーレッドの家」オーナーはそんな教え子の一人です。建設会社、ハウスメーカーのコーディネーター、デザイン学校講師など変遷を重ね、ひたすらデザインとは何かについて自問自答してきたのでしょう。
私が取り組んできて、そして今もやっていることは建築家としては異端です。ベースにあるのは自然愛ですので、ファッション文化震源地の渋谷で、「自然の仕組みに沿ってデザインを」「土地の精霊や動物たちから愛される家を」・・・・などなど、いくら言ってもどれだけ伝えられたのか大いに疑問です。
それでも愛する家族のために、愛する地域のために住まいづくりを私に託してくれたその教え子は、おそらくは私の渡したバトンを受け止めてくれたのだと思います。
そして7年の歳月を経て、自身の積み重ねたスキルと人脈を束ねて「一緒にやってくれませんか?」と声をかけていただけたことに感謝しています。
中村@PDO