群馬・森の巣づくり

群馬・森の巣づくり

設計:中村大補 & 橋爪賢一

16.09.24

MOLINOTH 完成!

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PDOの群馬での活躍の拠点ともなるモリノスのスタジオが完成しました。
主体は地元老舗の樋口工務店の新境地への挑戦のスタートです。
難しい設計要求に涼しい顔で対応してくれた英一さん、
斬新なインテリアコーディネートをした美絵さん、
外構も手伝ってくれた和明さん、
みんなご苦労様でした。

いつもPDO作品を撮り続けてくれている松村さんに撮影をお願いしました。
素晴らしい写真作品も完成です。

中村@PDO

16.09.02

山波石の石炉―環境との連続性―

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完成したモリノススタジオの外構整備の一環で石炉を計画しました。
数あるキャンプ場でも直火OKのサイトは今や少なくなりました。
直火を囲んで語り合う、そんな光景はもっと日常の中の非日常として、
住まいづくりに取り込みたいとの事業主英一氏の意向に賛同します。

そんなことで、石炉の設計図を提供しました。
「完成しましたよ」と英一さんが画像を送ってくれました。
石は群馬の鬼石町産出の「山波石」。特有の緑色が雨に濡れてなんともきれいです。
中心に据える平板は設計図ではコンクリート製でしたが、なんと大谷石!

こうしたこだわりがモリノス精神の神髄です。
使うのがもったいないくらいの石炉ですね。

中村@PDO

16.07.08

モリノス植樹祭〜デザインはその先にある

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いろいろな立場からひとつの建物に関わった人たち。
様々な思いを持ちながら慣れない手つきで未来の森を夢見て植樹を行いました。

焦らずに木々たちの成長を見守る。
大地にしっかり根をおろすまでは、時に水やりも必要。
植物に触れることのできる日常。
待つこと、自然がつくる流れのデザインを日々学んでいます。

細田@PDO

16.07.06

完成!―キャンプ合宿―

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群馬のみどり市にモリノスのスタジオは完成しました。
PDOデザインを老舗の工務店が群馬の地で実践する試みです。
今日は総勢15人でBBQそしてキャンプ合宿です。
厳しい夏の暑さ、赤城おろしの冬・・・、
自然に沿う建築のアイデア満載です。

中村@PDO

16.06.18

ブナ植樹

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モリノスは樋口工務店が未来に向けて家づくりに取り組むプロジェクトです。
普段とはちょっと違う筋肉を使って完成しつつあるスタジオ。
梅雨の合間に、関わった職人さんが集合し記念のブナの植樹をしました。

昨今は日本の夏の最高気温を記録するこのエリアでも、
最終的に森の主役になるのはブナです。
すごく早く言えば森がなくなってしまったから暑いのです。

ブナは次世代のさらに次世代に頃には、
このスタジオを覆うような大樹になっているでしょう。

中村@PDO

16.06.08

目が白黒してましたね

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内装工事も着々と完成に近づいています。
それにしてもベテランの桑原代表にとって初めてのことも多々ありました。

私が現場に到着すると開口一番「藁入り色モルタル、うまくいかなかった・・。」
どれどれ・・・?心配ご無用、この色むらはすぐに均一化されてきますよ。
それと、ケレン棒で表面を削り取ると靴下で歩いても引っかかりなくなります。
(ケレン棒とは、凸凹を平滑にする金属のヘラに柄がついた工具でCLEANが訛った)

天井は2重になっていて上を仕上げてからでないと下の天井板を張れません。
なんて段取り無視の非常識な設計?

リビングゾーン、ダイニングゾーン、キッチンゾーン、ワークゾーン、と、
4要素を天井の光スリットが貫くデザイン。すべてに障子がはめ込まれます。
建具屋さん目が白黒してましたね。

それでもまとまってきました。イメージした空間通りです。

中村@PDO

16.06.04

足場ばれる!完成間際

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「こうもりテラス」と名付けられたMOLINOTHのスタジオ。
大工さんの都合もあり途中休止もありましたが、
ここに来て完成に向けて勢いがついています。

群馬県も赤城山麓にあたるみどり市は銅の道に沿い、名の通り緑豊かな街です。
外壁の色は地域の土の色に合わせましたし、
産地に近いこともあり大谷石の利用も試しています。

建築中に居ついてしまったコウモリのために大工さんが巣箱も作ってくれました。
足場もばれて清々とした外観がお目見えです。

中村@PDO

16.03.23

ランドスケープデザイン


8年前に完成したチェロキーレッドの家のオーナーが、そもそものこの事業の言いだしっぺ。なのでもちろん事業リーダーを務めます。

ランドスケープデザインは建築中スタジオとこの家、そして隣接する竹林と連続感を持たせたデザインとするべきでしょう。

権利上の境界線は単に人間の都合上のもの。環境のデザインではそんなことは二の次です。そんな観点で考えるのがPDO流です。

中村@PDO

16.03.14

こうもりてらす

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昨年から始めた拠点建設。みんなが困っていたのは蚊。竹藪が隣接しているせいか、夕方ともなると人によってきます。そこに救世主登場。コウモリです。
 
私どもの年代ですと「黄金バット」。幅広くは「バットマン」。そのせいか不快昆虫を食べまくってくれる国から益獣指定されているコウモリはなんとなくブラックなイメージです。
 
そんなコウモリが、建築中のスタジオのデッキ(ドックトロット言います)に営巣してくれました。これは大歓迎!
 
そんなわけで、モリノスのスタジオは「こうもりてらす」、そう命名することにしました。
 
中村@PDO

16.03.09

進む拠点づくり

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家とは森の巣のようでありたい、そんな素朴な感情をこめて、群馬でのPDO流づくり計画を進めています。拠点となるスタジオ建設は進んでいます。

5月完成に向けていよいよ大工衆の勢いが上がります。

中村@PDO

16.02.10

基本設計Ⅱ―インテリアパース

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基本的な平面図、断面展開図がまとまってきました。ここから先は2次元ではなく3次元での検討が必要です。設計者が頭の中でイメージできているだけではいけません。
 
PDO流ではベクターワークスでインテリアパースを描きます。3次元で表現された図面は新たなアイデアを生み反映されていきます。
 
中村@PDO

16.02.05

基本設計Ⅱ

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遠景から外観はどう見えて、アプローチ道路からどのように見え方が移っていくか?
 
斜面下に停めた車から、そのような動線で建物に導かれるか?
 
ドックトロットはどんな空間?
 
様々なことを検証するために外観模型での検討は必須です。インテリア機能は外観に反映されていきます。
 
中村@PDO

16.01.23

基本設計Ⅰ

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MORINOSUは、PDOスタイルの家づくり提案のプロジェクトです。スタジオは執務機能だけではなく、住宅スケールの空間で生活提案の場にもなるとよいと思います。
 
主体となる棟は、南の竹林に向けて張り出します。打合せサロンはリビングルーム、ダイニングルームスケールの打合せテーブル、キッチンスケールの給湯室・・・・、そしてデザイン室。
  
トイレなど水回りはあえて別棟です。キャンプイベントを企画した場合のシャワールームや炊事シンク、建築資料庫などをひとまとめにします。
  
その二棟の間を屋根に覆われたデッキにします。外暖炉を楽しみながらの打合せテーブルを据えます。北欧伝統建築様式の「ドックトロット」です。
  
内でもない外でもない、新しい楽しい暮らしにそんな空間を提案します。
  
中村@PDO

16.01.16

スタジオ建築コンセプトⅡ

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群馬は広いです。草津万座の高原、豊富な温泉地、遥かな尾瀬、赤城山・・・、モリノスのフィールドはそんな自然力旺盛地ではなく、普通の家族が普通に暮らす、みどり市や桐生市が主なフィールドです。かつて銅山から交易拠点として、大いに栄えたエリアです。
 
問題は夏の酷暑です。冬もそれなりに寒いです。
 
品質確保促進法で定められた断熱地域区分では、なぜか寒冷地の八ヶ岳南麓と同じⅢ地域です。これには一聞、違和感を覚えます。冬の寒さが根本的に違うからです。
 
理由は逆転の論理です。夏の暑さをしのぐために八ヶ岳と同等の、断熱性能が必要なのでした。農耕民族の私たちは家づくりは夏を旨としました。冬はひたすら籠ってじっとしている・・・。断熱という考え方はつい最近のものです。最近では夏を快適に過ごすために、高断熱性が求められるようになりました。強い日射を遮断し冷房を逃がさないようにする、そんな考えでしょう。でもエアコンの冷房は決して健康に良いと思えません。
 
モリノススタジオでは、空気循環をデザインし夏季の酷暑を「高断熱+低温輻射冷房」で快適空間を提案します。
 
中村@PDO

16.01.06

スタジオ建築コンセプトⅠ

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全体をコーディネートする美絵さん、施工と品質確保をする英一氏、そして、建築を構想するPDOは、どんなスタジオを造ろうか?
 
全員自然好きです。キャンプは共通の趣味です。居ながらにして森の中にいるような空間、自然を感じるための素材使い、そして、生活なかに炎を・・・、薪ストーブは必須です。
   
自らも、そしてまだ見ぬオーナーとも、みんなで楽しめるキャンプサイトのような場、モリノススタジオのコンセプトの一つです。
 
中村@PDO
        

15.12.30

拠点づくり - スタジオ建築

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MORISOSUは「チェロキーレッドの家」の施工を手掛けた工務店の新プロジェクト、と言う位置づけです。
 
年間数十棟もこなす万全の技術力を持った老舗の地域ビルダーが、言い出しっぺの美絵さんと組んで、PDO建築を群馬で展開していくプロジェクトです。
 
そのための拠点となるスタジオは、「チェロキーレッドの家」の隣地に、建築することとなりました。
 
「それでは土地の精霊の声を聞きに伺いましょう!」ということで美絵さん一家と、工務店代表の英一氏と、PDO総メンバーでキャンプ合宿をしました。
 
清々しい朝を迎え、精霊はささやいてくれました。
 
中村@PDO

15.12.24

丘陵地エリアに家をつくりたい

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私の建築の考えを実現するために、主にフィールドとしてきたのは八ヶ岳や軽井沢の自然力旺盛地です。
  
群馬でしかも一般居住エリアで私に何ができるでしょうか?「チェロキーレッドの家」は多くが望むような立地と異なります。あえて丘陵地エリアに築かれました。
  
「平坦地」「通学利便性」「建築容易」・・・、そのどれにも当てはまらないかわりに、緑地に囲まれて自然との交歓を楽しんでいます。またそれを活かした自由な設計で家族との交歓を得ています。
  
「平坦地」は田畑であったり湿地であったりしました。だからこそ平らなのです。大水や竜巻危険、日照過多にさらされています。そのかわり子育て世代には都合の良い通勤通学利便性があります。また、ハウスメーカーの提供するモデルプランがあてはまり易いですから、たちどころに家を手にすることもできるでしょう。
  
「丘陵地」は基本的に土地は傾斜していますから水は流れて行ってしまいます。林に囲まれている分、台風や竜巻の影響はさほどないと言えるでしょう。緑陰を潜り抜けてくる風は気持ちよいのです。同じ土地価格でも広く取得できますから設計の自由度は高くなります。
  
そんな丘陵地エリアをフィールドにPDO流建築で幸せな家をつくっていこうという、そんな考えのようです。
  
中村@PDO

15.12.20

群馬・森の巣づくり

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7年前に手がけた「チェロキーレッドの家」オーナーからある日電話をいただきました。「私は中村さんの家をこの群馬でひろめたい!」端的に言えばそんな趣旨でした。16年間の永きにわたり桑沢デザイン研究所という学校で住宅デザインを講義してきました。延べ1000人以上の若者に情熱をこめて自然とは?人とは?家とは?考えを伝えてきたつもりです。それでも結局バトンを渡せたのは、一体何人にでしたでしょうか・・・・。

「チェロキーレッドの家」オーナーはそんな教え子の一人です。建設会社、ハウスメーカーのコーディネーター、デザイン学校講師など変遷を重ね、ひたすらデザインとは何かについて自問自答してきたのでしょう。

私が取り組んできて、そして今もやっていることは建築家としては異端です。ベースにあるのは自然愛ですので、ファッション文化震源地の渋谷で、「自然の仕組みに沿ってデザインを」「土地の精霊や動物たちから愛される家を」・・・・などなど、いくら言ってもどれだけ伝えられたのか大いに疑問です。

それでも愛する家族のために、愛する地域のために住まいづくりを私に託してくれたその教え子は、おそらくは私の渡したバトンを受け止めてくれたのだと思います。

そして7年の歳月を経て、自身の積み重ねたスキルと人脈を束ねて「一緒にやってくれませんか?」と声をかけていただけたことに感謝しています。

中村@PDO