17.06.16
完成!―三兄弟の安寧―
完成!―三兄弟の安寧―
はじめて敷地を訪れたとき、見事な姥ユリの群生と欅巨木群に圧倒されました。
八ヶ岳西麓の原村にはこうした原始的環境が残っています。
オーナーから要望されたライフスタイルと何よりもこの欅巨木と共存する
家の在り方を長い間考え続けた挙句ゲストサロン棟―ドッグトロット―居住棟と、
三本の欅をぬうように分散配置された建築案が出来ました。
欅は一番手前から「一郎」「次郎」「三郎」と名付けました。
オーナー家族の生活とともにある存在となります。
三兄弟は多くの動物の兄弟がそうであるように、
個体ごとに全く性格が違います。
一郎は長男らしく家の正面にでんと居座る立派な幹立ちです。
次郎は少し体が弱いせいか繊細で少々神経質。
三郎は自由奔放でやんちゃで、ぼうぼうと旺盛に葉を出します。
多くの職人の結晶である家も、その過程で環境はダメージを少なからず負いました。
もと合った姥ユリ群生の状態に一刻も早くもどしたいとオーナーはおっしゃいました。
中村@PDO 写真;松村誠