墨絵の家

墨絵の家

設計:中村大補

22.08.08

伐採完了 ー光さす森ー



現地でオーナーに確認いただいた伐採樹。
先日、伐採工事が完了しました。深い森に光が差しています。
視線の先にある森と渓流に対峙するような墨の「箱」が見えているのでしょうか。

細田@PDO

22.07.09

地縄と伐採樹確認―流域の森―


ごつごつとした岩の地面があらわになっていた冬から一転し、
いまは滴るような緑に覆われています。
すごい湿気です。

「岩と戦わず」作戦はどうやら正解です。
基礎根入れをせず現状に砕石を平たんに敷き詰め
そこに基礎を築きます。
凍結深度確保の根入れはすべて客土で。
当然高床になりますから湿気対策にも有効です。

今日はオーナーにおいでいただきました。
この森環境に感動し胸が高鳴っているようです。
それなら安心。
そのようなことでなければここには住めません。

どんなことがあっても動かせない大岩がいくつかあります。
動きそうな岩もあります。
ここにつくることが出来る形と位置は
もう必然的に決まっています。

伐採する樹一本一本を確認いただきました。

中村@PDO

22.05.25

断面計画


岩だらけのごつごつした地面。
ここに基礎を築く方法は?

岩を砕く?

大型重機投入してどかす?

いずれも過去に挑戦しましたが
結論から言えば人が岩に勝つのは無理です。


岩に触らず岩地面を掘らずに基礎を載せればよいと
思い至りました。

凍結から守るための基礎の根入れは、
客土して擦り付けます。

空間は渓流に向かって開放されます。

中村@PDO

22.05.18

墨の箱


山奥の渓流に面した、
苔むした岩だらけの傾斜地。

幻想的な空間です。

ここにあるべき建築の姿は?
禁欲的な、有機環境と対比的な、
「箱」が良いと思いました。


オーナーからは 焼杉を外壁として
使いたい、と要望されました。

墨の「箱」です。

中村@PDO

22.04.29

墨絵の家


小海線の高架をくぐり、ギャラリーを横目にさらにどんどん奥地へ細い道を進んでいく。

どうやらここから先に道はないようです。

「ここが敷地です」

八ヶ岳からの湧水を集めた宮川源流に沿った、岩だけの地面。
岩だらけ、ではなく岩だけ、です。

冒険心あふれるオーナー夫妻はこのワイルド極まる敷地(そう呼べるのか?)にどうしても家を創りたいとのこと。

「PDOならきっと何とかしてくれるはず」
わたしはこの言葉に弱い。

中村@PDO