2012.10.22

八ヶ岳おろし

できごと

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ヘムロックヒルは八ヶ岳南麓のなかでも大泉にある。世に言う「八ヶ岳おろし」がさぞやビュービューと吹くと思われがちだ。ところがそれは全然違う。森林が多く残っているせいもあるだろうが、吹きさらしの畑の筋を別にすれば、ほとんどの冬風は取るに足らないものだ。
  
ところが双葉から先、甲府盆地には「八ヶ岳おろし」が存在する。大概の甲州人はこれを嫌う。ブロックも飛んでしまうといわれるこの風、双葉の航空学園のある辺りが一番すごい。グライダーの滑空に適するわけだ。
  
実はこの風、諏訪口と呼ばれる岡谷の方から小淵沢を経て吹いてくる北風と、軽井沢の方から佐久、野辺山を経て吹いてくる北風が、合流したものだ。八ヶ岳を中心にしてそれに迫る南アルプス、秩父山系のせいで、風に加速度がつき八ヶ岳の両脇を吹きぬける。ちょうど合流点が双葉の辺りだ。だから強力なのだ。

2012.10.17

A.C.ショーハウス

できごと

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カナダ人宣教師A.C.ショーが軽井沢を訪れ、「ふるさとの情景と似ている!」ということで別荘を建てたのが1888年。それが軽井沢リゾートの発祥です。
  
当時の宣教師といえばかなりのセレブ。今見ると質素に見えますが、豪華な調度品に囲まれていたのではないでしょうか。
  
八ヶ岳に暮らす私のふるさとは東京の浅草。第二のふるさとは、そう軽井沢です。なのになぜかショーハウスを訪れるのは初めてなのです。日本人なのに富士山に登っていないのと似ていますね。
  
Iさんご案内ありがとうございました!

2012.10.16

ヘムロックヒル

できごと

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ヘムロックヒル・・・栂の丘、そう名づけた家が出来たのは、今からもう20年も前のことだ。都会をはなれ大好きな八ヶ岳の自然の中で暮らしたかった。
  
設計図は当時事務所を開いていた東京で描いた。毎週の様に山歩きで八ヶ岳に通っているというのに、いざ住まいを設計しようとしたとき、風土についてほとんど知識がないことに気づいた。
  
冬の風、夏の風はどちらから吹く?
日照時間は?
どんな植生?
土の成分は?
地下水の流れはどこからどこへ?
・・・・形を出してしまう前に多くの勉強をした。
  
こう見えても東京時代の私は、ビルや狭小住宅の設計に明け暮れた。そんな中、自邸の設計は自分を取り戻すためになくてはならない時間だったのだ。

2012.10.12

朝までダイアローグ 軽井沢編 1

できごと

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PDO名物、朝ダイは今回軽井沢エクシヴで行ないました。メンバー3人のほか若手建築家のIさん、住環境プロデューサーのSさんを加えてのダイアローグでした。テーマは「品質・性能と現場管理」です。

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やたらと豪華な施設ですが、非日常であることは何よりです。日常の雑多な業務を忘れて、本質に迫る対話にはうってつけです。
  
今までになく実践的で、身に迫った具体的な内容について、多くの対話をし、実りある脳の刺激がありました。

2012.10.10

ざわめきが聞こえる

できごと

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4年ぶりの軽井沢の再訪。PDOメンバーを観光案内しておりましたら、いつの間にか私の軽井沢発祥の地、「忍ヶ岡荘」の前を通り過ぎようとしていました。
  
思わず「とめてー!」と言っていました。
  
多くの仲間と夏を過ごした山の家。今は廃屋です。バス停にその名前が残ります。
  
何かに取り付かれて吸い込まれるように中庭に導かれました。
  
思い出が高波の様に押し寄せて、思わず涙がこぼれ落ちました。ひたすらに無垢な情熱を音楽に傾けていた、あの瞬間のざわめきが聞こえたからです。

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