2016.07.23

森再生への試み〜潜在植生の森に思いを馳せて

森づくり

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美鈴の家は唐松の木々に囲まれています。同じ別荘地内では広葉樹を主体とした多様性のある植生の土地もあります。
このエリアはおそらく開発計画で、人の手により唐松の植林が行われ、唐松がその勢力を広げてきたのでしょう。

自然に沿う暮らしの中で、本来の植生に近づけたいと感じはじめたオーナー。
増えすぎた敷地内の唐松を切り林床に光と風を入れることを考えて、地域で暮らす伐採のプロに重機を使わない仕事を依頼したのです。

久しぶりに訪れた美鈴の家。光が適度に入る敷地となり、広葉樹の幼樹や野草たちが元気に育ちはじめています。
都会の暑さを逃れ、チャム・クリス・ライナー・ジルが気持ちよさそうに駆けまわる姿が目に浮かびます。

細田@PDO

※潜在植生とは、時間の流れに沿って環境が植生を規定し、環境がさらに植生を変えてゆくという、環境と植生との相互作用の結果進行する遷移とは無関係に、いま人間の影響がすべて停止されたときに、その立地が支え得る自然植生のことで、現実には存在しない理論上の植生概念である。(宮脇昭『植物と人間』より抜粋。ラインホルト・チュクセンが提唱)