2012.10.22

八ヶ岳おろし

できごと

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ヘムロックヒルは八ヶ岳南麓のなかでも大泉にある。世に言う「八ヶ岳おろし」がさぞやビュービューと吹くと思われがちだ。ところがそれは全然違う。森林が多く残っているせいもあるだろうが、吹きさらしの畑の筋を別にすれば、ほとんどの冬風は取るに足らないものだ。
  
ところが双葉から先、甲府盆地には「八ヶ岳おろし」が存在する。大概の甲州人はこれを嫌う。ブロックも飛んでしまうといわれるこの風、双葉の航空学園のある辺りが一番すごい。グライダーの滑空に適するわけだ。
  
実はこの風、諏訪口と呼ばれる岡谷の方から小淵沢を経て吹いてくる北風と、軽井沢の方から佐久、野辺山を経て吹いてくる北風が、合流したものだ。八ヶ岳を中心にしてそれに迫る南アルプス、秩父山系のせいで、風に加速度がつき八ヶ岳の両脇を吹きぬける。ちょうど合流点が双葉の辺りだ。だから強力なのだ。