2013.04.26

たてのものをよこに

できごと

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新しいPDOの軽井沢のスタジオは、古い旅籠の一室を借り受けることになりました。誰もがイメージするカルイザワとは違い、静かな追分宿のちょうど真ん中くらいにあります。ですから和風です。
  
私にはかって建築家として悩みがありました。「中村さんの建築は和風だね。」和風なんて意識したことがないのにこんな風に評されると、とても戸惑います。「そんな風にみえているんだな・・・」とても悩んだものです。
  
ですからこの強い和風感を発する旅籠「油や」に拠点を設けることについては少々工夫が必要だな、と思いました。わたしたちデザイナーは常に多角的に物事を観る訓練をしています。当たり前の存在をちょっと視点を変えてみると、新しさが出る。「異化」というデザインの技です。たてのものをよこにしてみるということです。
  
まずは手始めに、間仕切りに使われていた障子を天井に水平に吊りました。光天井です。
  
これから徐々に「異化」に取り組んでいきます。